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休みながら日々楽しく 100cmの視界から―あまはいくまはい―(20)


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 「もっと体力があればいいのに!」加齢を感じる人、体が弱い人、病気治療中の人は、そう思うことがありませんか? 私もその一人です。身長100センチ、骨が弱く、車椅子で生活する私は体力がありません。背骨が曲がっているので、座っている姿勢も疲れやすく、無理をせずに横になることが大切。また、疲れがたまると、耳の聞こえが悪くなり、風邪もひきやすいのです。

 やりたいことはめじろ押しなのに、体のことを優先して考えなければいけないのはつらいところ。でも障害が良くなることはありません。人一倍、体を大事にすることが大切です。無理が利かないので週1回、予定の一つとして「休む時間」をつくるようにしています。また1日一つ以上の用事は入れないようにし、隙間時間は家事を済ませるのではなく、ゴロゴロと横になるように心掛けています。

 体が少しでもきついときは、いつもはできること、例えば洗濯物をたたむことや、子どもの保育園のお迎えも、ヘルパーさんにお願いします。1人でできないことが多いので、ヘルパーさんがいる時間を効率よく過ごすのがポイント。ヘルパーさんと細かなコミュニケーションを心掛け、やりたいことを具体的に伝えます。イレギュラーなことはなるべく起きないように準備し、もし子どもの病気などで変更が起きたときは急いでヘルパーさんに連絡し、予定を立て直します。

車椅子に3人乗り。体重20キロの私、15キロの息子、12キロの娘。いつまでいけるでしょうか!?

 私は週2本、コラムを書くのがメーンの仕事です。月に数回講演会をし、取材も時々受け、時にはイベントにも参加します。そして私のように障害がありながら子育てしている親の会に参加したり、講演会を聴きに行くことも大切にしています。

 また私の障害は、骨だけでなく、歯や耳にも影響がでるので、通院、治療も欠かせません。特に子ども2人を出産し、40歳手前の今は、歯がよく欠け、詰め物が取れます。片道1時間半かけ、歯医者にも通わざるをえません。

 それに加え、日常の家事と育児もメーンです。特にわが家は転勤族なので、親をはじめ、気軽に頼れる人が近くに住んでおらず、夫も協力的ではないので、私は1人でフル稼働。少しの間でも子どもを見てくれる人や、夕飯のおかずを1品もらいに行ける場所があったらいいのに。

 でも「こんなに小さな私が、どうにか家事、育児、仕事をこなしているのは奇跡だわ!」と時には自分を褒めまくり、乗り切る日々。生きていくって、大変! でもみんなそれぞれ大変ですよね。お互いに、賢く、楽しく、そして休むことを大切にしながら乗り切っていきましょう!

(4月から火曜掲載となります。次回は4月3日に掲載します)

伊是名夏子

 いぜな・なつこ 1982年那覇市生まれ。コラムニスト。骨形成不全症のため車いすで生活しながら2人の子育てに奮闘中。現在は神奈川県在住。

 

(2018 年3月19日 琉球新報掲載)