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褒められてハッピー! 100cmの視界から―あまはいくまはい―(21)


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 私は、褒められるのが大好きです! 35歳ですが「かわいいね」と言われるとうれしいし、新しく買った洋服を褒められたり、愛用のかばんを「いいね」と言われたりするとうれしいです。誰でも褒めてもらうとうれしいですよね。人によっては「かわいいね」と言われると「子ども扱いされたみたい」と気を悪くする人もいるし、「外見ではなく中身を褒めて」と思う人もいるでしょう。でも相手の機嫌を取るためのお世辞ではなく、本心からの褒め言葉をもらうと、誰でもうれしいでしょう。

 ただ、障害があったり、特徴があったりする子どもは「かわいいね」と言われたり、褒められることが少ないもの。それがとても悲しいです。子どもには必ず、それぞれのかわいさ、チャームポイントがあります。でも周りの人は、普段見慣れないところや、平均とは違うところばかりに注目しがち。違うところこそが、かわいさや、魅力に変わることもあるのですが。

 見慣れないことに違和感を感じるのは仕方のないことかもしれません。私も留学中、青色の目の友だちと話していると、目の色が気になってしまい、初めは見つめられるとそわそわしていました。違いを「違和感」としてではなく、「その人らしくてチャーミング」と感じるようになるには、お互いが一緒に過ごす「時間」が必要なのかもしれません。

桜が満開。毎年、この時期に同じ場所、同じアングルで撮っている家族写真

 私はありがたいことに、子どもの頃から褒められることが多く、それを肯定的に捉えて、単純に喜ぶことができます。そして「私は小さくて、どこにでもコンパクトに収まるからお得だな」「車椅子に乗っていて目立つので、まわりの人に覚えてもらえてラッキー」「子どもに同じ年だと思われて、すぐに仲良くなれてうれしい」と思っています。いいところと、悪いところは背中合わせですよね。

 ただ最近、夫が私をまったく褒めてくれないことに、イライラ。前はもっと「かわいい」って言ってくれて、良いところを褒めてくれたのに。年を重ねるにつれ、周りから「かわいい」と言われることは減るので、パートナーはそれを補うくらい、右肩上がりで褒めないといけないのに! 「お世辞では気を悪くする人もいる」と言いましたが、パートナーシップにおいては、お世辞でもいいので、とにかく「褒める」「褒める」「褒める」を実行してもらいたいものです。

 新しい出会いの4月。相手のいいところ、チャーミングなところを見つけて、褒めてみませんか? 温かい気持ちで始まる関係は、プライスレスですよ。

(次回は17日に掲載します)

伊是名夏子

 いぜな・なつこ 1982年那覇市生まれ。コラムニスト。骨形成不全症のため車いすで生活しながら2人の子育てに奮闘中。現在は神奈川県在住。

 

(2018 年4月3日 琉球新報掲載)