きょうだいが遺産を独り占めに!? そうはさせない「遺留分」とは【沖縄の相続】暮らしに役立つ弁護士トーク(14)

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「父が所有していた軍用地の相続を、兄が独り占めしようとしている」

ある日、沖縄県嘉手納町に住む男性から、こんな相談が寄せられました。「沖縄の相続問題」といえば軍用地にまつわるトラブルも少なくありません。このケースでは半年前に亡くなったお父さまが生前、「兄に全財産を譲る」という趣旨の遺言書を残されていたそうです。

男性は「遺言があるからといって、兄だけが父の遺産をもらえるなんて不公平だと思います。私は父の遺産をもらえないのですか?」と訴えています。


諦めないで! 「遺留分」があります


遺言がある場合、遺言に書かれた内容が優先されますが、相続人の1人に全財産をあげるなどの遺言が作成されたら、納得いかない相続人もいるでしょう。

諦めることはありません! 遺言があっても、「遺留分」といって、一定の相続人には一定の割合の相続財産が最低限保障されます。


「遺留分」のポイント!!
遺留分がある人 配偶者、子供、父母は○
兄弟姉妹は×
遺留分の割合 通常は相続財産の1/2
父母のみが相続人の場合、相続財産の1/3
遺留分請求期限 相続の開始及び遺留分を侵害する贈与や遺言を知ったときから1年以内

 


遺留分は誰にあるの?どのくらいもらえるの?


遺留分は、配偶者と、子と、父母などの直系尊属に認められます。よく間違われるのですが兄弟姉妹には、遺留分はありません。

相続財産における遺留分の割合(総体的遺留分)は通常、相続財産の2分の1となります。ただし、父母や祖父母など自分より上の世代の「直系尊属」が相続人のみの場合は、相続財産の3分の1です。

仮に、相談者に兄と弟がいる場合、遺留分の権利を持つのは3人になります。相談者本人の遺留分は、総体的遺留分2分の1を3人に分けるので、3分の1をかけた6分の1になります。

請求するか、しないかは本人の判断

遺留分がある人は、遺留分の請求をするか、しないかを決めることができます。

例えば、遺産が実家しかなく、トートーメーを継ぐ長男が実家をもらうのを相続人が納得すれば、遺留分を請求しないケースもあります。

しかし、相談者のように軍用地などの高価な遺産がある場合は、遺留分を請求するケースもよくあります。

請求は時効があるから要注意!

遺留分を請求するには期間の制限があります。遺留分請求は、相続が開始したことと遺留分を侵害する贈与や遺言を知ったときから1年以内に行わないと、時効で消滅します。請求が遅れないようご注意ください。遺留分請求には、遺留分の計算の対象となる財産の制限もあります。

遺留分の問題は話し合いでは解決できず、裁判になるケースもあります。遺留分請求をお考えの場合には弁護士に相談されることをお勧めします。



― 執筆者プロフィール ―


弁護士 尾辻克敏(おつじ・かつとし)

中央大学法学部、中央大学大学院法務研究科卒業。司法試験合格後、県内にて1年間の司法修習を経て、弁護士業務を開始。常に相談者の話を丁寧にお聞きし、きめ細やかな法的サービスを的確かつ迅速に提供し、全ての案件に誠心誠意取り組んでいる。

相続問題・交通事故、企業法務等を中心に取り扱う。相続問題では、沖縄の風習や慣習、親族関係にも考慮した適切な解決を心がける。



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(毎月第3水曜日掲載)


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