ほっかほか&もちもち! 沖縄・北中城名物“緑のまんじゅう”の正体は…?

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城まんじゅう
家族で生み出したアーサまんじゅう

  北中城村の名物として知られるアーサまんじゅう。天ぷらや、お吸い物に入れることが多いアーサだが、まんじゅうに使われるとは意外に思う人も多いのでは? 今回は同村仲順にある「城(ぐすく)まんじゅう」で製造・販売している「アーサまんじゅう」をリポート。



北中城名物のアーサまんじゅう。蒸すとアーサの緑色が濃くなる  写真・村山 望

「城まんじゅう」の金城睦美さん(右)と玉城真由美さん

あんは多めだが甘さ控えめで重くない

冷蔵庫に1日寝かせたあん。奥はアーサを練り込んだ皮

 「おばあちゃんが作るような素朴なおまんじゅうがあってもいいんじゃない?」

 この一言が、アーサまんじゅうの始まりだった――。

 夫の恒雄さんらとともに「城まんじゅう」を切り盛りする金城睦美さんはこう語る。

 「ここには世界遺産の中城城跡があって、観光客はたくさん来るのに、すぐ食べられるようなお土産らしいものがない。そこで『どんなものがいいんだろう?』と想像してみたら、城下町でおばあちゃんが手作りのおまんじゅうを売る姿が浮かんだ」

 そのことを恒雄さんに話すと「じゃあ、やってみたら」と言われ、それならと北中城村の特産であるアーサを使ってやってみようと思ったそうだ。


気負わず挑戦


 アーサまんじゅうには、生のアーサをピューレにして生地に練り込み、中に甘さ控えめの粒あんを入れる。アーサは食物繊維が豊富で、カルシウムやミネラルたっぷりなのがうれしい。

 化学調味料や保存料などの添加物は一切入れない。「健康オタク」だという恒雄さんのこだわりだ。

 同店の社長である恒雄さんは、実は元家電ショップのオーナー。睦美さんはトールペイント(木製品などに絵を描くアート)の先生だった。さらに一緒に働く睦美さんの妹・玉城真由美さんは元エレクトーン講師で、3人とも食に関わる仕事の経験がなかった。唯一、睦美さんの娘婿で店長の塩見巌(いわお)さんが飲食店で働いた経験があるものの、まんじゅう作りに関しては全くの素人だったという。

 「数えきれないほどの失敗をした。でも苦労したとは思わず、それはそれで面白かったですよ」と睦美さんは笑う。

 真由美さんは「知恵を出し合って、和気あいあいとやってきた。誰一人として上から目線で見る者がいなかったから、うまくやってこられたのかもしれないですね」と振り返る。

「こんな感じかな?」「まずはやってみよう」

 素人だからこそ、枠にとらわれることなく、気負わずに挑戦することができたという。

 睦美さんは、食べたあとに「もうちょっと食べたいな」と思うぐらいの「重くないあん」を目指した。

 ようやく、ちょうどいいあんばいのアーサまんじゅうが完成したのは、およそ半年後のことだった。


塩麹(こうじ)にオリジナルのスパイスを入れ漬け込んだチキンの唐揚げも人気

アーサいなり

パッケージは、睦美さんがトールペイントの経験を生かしデザインした


甘すぎない優しい味


あんを手際よくまんじゅうの皮に載せて包む


アーサまんじゅうと、粒あんの中にすりごまを入れたゴマまんじゅう。1個120円

 立ち上げから12年。城まんじゅうは地域の人々に支持される名物まんじゅうに成長した。他の市町村からも手土産などに買い求める客が少なくない。

 この日も常連客などが何度となく訪れ、睦美さんや真由美さんと談笑していた。店内には、まんじゅうを蒸したり、包んだりするときに欠かせないサンニンの香りが漂う。

 取材の終わりに蒸し上がったばかりのほっかほかのまんじゅうをいただく。もちもちした皮に甘すぎない粒あんが優しくて、どこか懐かしい味がした。


(﨑山裕子)



城まんじゅう
北中城村仲順230(仲順バス停前)電話098(935)3964
営業時間=9~17時
売り切れ次第終了 



(2018年5月10日付 週刊レキオ掲載)




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