梅雨の時季こそ本屋へ 沖縄県産本☆ バックヤード便り[40]

このエントリーをはてなブックマークに追加

第37回 梅雨の時季こそ本屋へ

 

 こんにちは、くじらブックスの渡慶次です。4月以降気温がぐんぐん上がり、日差しも強く緑が濃くなってきました。沖縄はまさにうりずん、初夏の季節です。店頭の植木にも、成長途中の虫たちがちらほら。いじらしいと思いつつ葉っぱが食べられてちょっと困っています。皆さまはいかがお過ごしでしょうか。

 5月8日には梅雨入りが発表され、本屋として辛い季節になりました。本は紙でできていますから、湿気が増えれば雑誌の表紙がぺらっとめくれたり、状態が悪い古本はカビてしまったり、常に湿気との闘いが繰り広げられます。窓を開けては閉め、本を拭いては重い物で挟んで伸ばすなど。のんびりしているようで、内心気が気じゃありません。

 また、雨が降る→外出を控える→濡れたら困るものは特に買い控える→本屋の売上が下がる…というのも、昔から聞かれる梅雨の悲劇。本好きな方ほど、濡れるのは嫌、濡らしたくない。もっともその通り、と思いつつ溜息…本屋は湿気以上に人がいない店内に弱いのです。


湿気で表紙がめくれるなど、梅雨の時季は本屋の大敵

 本屋にとっての幸せは、お客さまに本を手渡すこと。どんなにいい本を並べても、店内をきれいに飾っても、立ち寄り手に取っていただけないなら淋しいだけです。お客さまがいてくださってこそ「本屋」でいられます。仕入れた本を並べる時は、いつも、手に取る「誰か」のことを想像します。常連のあの方、という場合もあれば、まだ会ったことがないけれどいつかいらっしゃるどなたか、という場合もあり。いずれにしろ、いつか「誰か」が手に取ってくれるはず…とあれこれ考えつつ、ああでもないこうでもないと試行錯誤する毎日なのです。

 くじらブックスのように小さな店であれば、入ってきたお客さまに「いらっしゃいませ」と挨拶した後、目線を外しつつ、時折チラッと様子をうかがったりします。積極的に話しかけたり、じっと見つめたりはしませんが、「〇〇という本を買ってくださったお客さま」の情報は自然と脳内にインプットされ、「同じ作者の新刊入れておこう」「〇〇を買ってくれたなら、△△もお好きかも」など、次の仕入れに着実につながっていきます。たとえ購入されなくても、棚から飛び出した本、読んだ形跡のある本を見て「このジャンルに興味をお持ちの方がいる」と思えば、やはり仕入れに影響します。そう、買えば確実に、買わなくとも頻繁に通えば、本屋は成長する虫のごとく、好みの店へと成長していくのです。

 しとしと降る雨の日も、気が向いたらどうぞ本屋にお立ち寄りください。湿気と格闘しつつ、ご来店心からお待ちしております。
 



渡慶次 美帆(とけし みほ) 1984年生まれ。豊見城市出身。大学卒業後、株式会社ジュンク堂書店入社。池袋本店・那覇店勤務を経て、2015年小さな本屋「くじらブックス」として独立。那覇市・松川で店舗営業の後、18年2月八重瀬町屋宜原にて「くじらブックス&Zou Cafe」オープン。 


 


くじらブックス&Zou Cafe  
http://kujirabooks.blogspot.jp/

5月19日(土)午後2時〜『みんなで読もう!ウチナーグチで「おおきなかぶ」』を開催します。参加費無料、どなたでもお気軽にお越しください!



前の記事日本人が知らない世界の先住民族 ...
次の記事石原さとみをオトしたカリスマIT...