“禁断”のコラボ!? ひーぷー&局長&ミキトニーが一緒に出るってよ


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今日の笑い声が明日をつくる

ティーサージ・パラダイス × ゴールデンアワー クロストーク
 

この3人の声を聴かない日は何だか落ち着かない…。ラジオから響く笑い声やツッコミ、時にはどぅーちゅいむにー(独り言)的!?な言葉から元気や気づきをもらっている人も多いはず。沖縄のラジオ界で活躍する3人が、局の垣根を越え一堂に会し「ラジオの未来」について語ってくれました。〝奇跡のコラボ〟の一端をお届けします。

それぞれの思いを抱きラジオの世界へ

─今回のテーマは「100年後に残す夢」というものですが、今が未来につながるということで、まずは今の道に進んだきかっけを教えてください。

西向幸三(以下、局長) 高校生の頃、天安門事件やベルリンの壁崩壊など、歴史的な出来事があったので、ジャーナリストになりたかった。でも家が貧しく大学進学もできないので、どうしようかと考えていた時、ラジオ沖縄さんのオーディションがあった。まずはどのメディアでも良いので入ってみようかなと思い、オーディションに挑戦したのがきっかけです。

真栄平仁(以下、ひーぷー) 幸三さん、面接で「小林克也さんみたいになりたい」って言ったんでしょ。しに(とても)チャレンジャー。

局長 ええ言いました。「しに生意気なやつがいる。一度採用して、へし折ってやろう」ってことで採用されたタイプ。補欠合格でした。

ひーぷー 僕は最初はコミュニティFMでやってました。劇団も立ち上げていたから、告知もできて良いなって思って。本格的には、みーかー(玉城美香さん)が産休に入るからと、ピンチヒッターをしたのがきっかけ。

糸数美樹(以下、ミキトニー) 私は大学進学で東京に出た。東京に行ったら〝沖縄代表〟になる。私を通して、方言とか文化とか、沖縄のことを伝える。それがとっても楽しかった。私というフィルターを通して誰かに何かを伝えることの楽しさに気づいて。最初は、テレビ局のアナウンサーに憧れて就活しました。さきイカの話で盛り上がって「いけるっ」って思った局もあったけど、結局不採用でした。
 

AIが進んでもやっぱり人間が面白い

─100年後は技術革新で、AI(人工知能)化なども進むと考えられています。人の声で伝えるという昔ながらのラジオの魅力は。

ひーぷー 最初は、地元のどぅしぐゎー(友達)に「面白くない」って言われないように、地元の友達に笑ってもらえるようにしようっていう思いでやっていた。いまだに「お前より、オレが面白い」っていうやついるけどね。

一同 そう言う人、いるいる〜。

ひーぷー 一度はAIとか、ロボットアナとかの方向に行くと思う。でもそうなると、話し手は噛まんし、鼻水も聞こえないし、つばも飛ばさない。だんだんつまらなくなってくると思う。やっぱ人間がやった方が面白いなって所が出てくるはず。

局長 どんどん、スマートフォン(スマホ)に入っていくべきだと思う。良いコンテンツ(番組)を作ることに尽きる。良いものを作っていれば、スマホだろうがラジオだろうが、接触の方法は変わっても、音声のみのコンテンツの楽しさは100年後も残ると思うし、そういう楽しみを子どもたちにも残したい。「犬」って言っても皆、思い浮かべる犬はそれぞれ違うし。

ミキトニー ちなみに何でした?

局長 柴犬。

ひーぷー 俺、ゴールデンレトリバー。

ミキトニー 私もゴールデン。

局長 なんで中部2人でこんなーだわけ。でも、そういうことだよな。マス(大勢)に訴えつつも、ひとりひとりの捉えられ方があるってのがラジオ。

ミキトニー 私はFM沖縄の面接の時にラジオの魅力にとりつかれた。マイクテストで、まーちゃん(小波津正光)さんとの掛け合いをした。この掛け合いのテンポ、早さがとても楽しかった。まーちゃんさんに名前を突っ込まれたり。何で名前を突っ込まれているのか意味分からなかったけど。そのやりとりが面白かった。瞬発力が魅力。今日も有名人の方の名前を言ったらすぐ、リスナーさんが画像をツイッターでアップしていたし。

いろんな意見が言える100年後に

─100年後に向けてどういう風に年を重ねていきたいですか。100年後の沖縄はどんな風になっていてほしいですか。

局長 留学したり、世界中を見て周りたい。早く引退したいんです。生きているのがほんと大変で、どうにかこうにか、ごまかして生きている。ははは(苦笑)。

ミキトニー 出た、局長の闇。

局長 現実的な話をすると、管理職になってインプットする時間が無くなってきている。アウトプットばかりで、自分のしゃべりが面白くない、劣化しているなって分かり始める。でも、リスナーさんがしゃべっていいよって言ってくれている間はしゃべろうかなって思い直している。未来の沖縄。子どもたちがずっと笑っていられれば、それでいいって思います。

ひーぷー 僕は車が好きだから、70歳になっても、でーじ車を改造して歩かそうやっさーって思っている。未来の沖縄は…。AとBの2パターンあるけど、両方聞く? Aは、上から部品が落ちてこない沖縄。僕の子や孫に当たる可能性があるからね。Bは、ラジオで好き勝手話せる時代であってほしい。いろんな意見が言えるように。

局長 確かに、ね〜。

ミキトニー 最近、口にできる言葉が減ってきている。等身大で背伸びしないで年を重ねていきたい。「こういう私でいなきゃ」っていうのは疲れるのでやめました。ガソリンが7円安くなったとか、天気が良いから洗濯物がよく乾くとか、そういうことに幸せを感じる女でいたい。それを皆で共有しながら生きていきたい。うちなーんちゅの幸福度が上がる未来であってほしいな。

─最後に今日の放送を楽しみにしている皆さんに一言。

ひーぷー この3人が一緒にしゃべるのって初めて。沖縄のラジオ文化が盛り上がっているからこそできること。単純に楽しみに見に来てほしい。

ミキトニー 今回の企画がないとできない。相当すごいこと。歴史が変わるかも。おじさん2人を私がひっぱります。

局長 ネガティブ代表として。後ろ向きな人間がどう頑張るか見てください。

糸数美樹(いとかず・みき)
ラジオパーソナリティ、タレント。ちゃんぷる〜沖縄市大使。愛称は「ミキトニー」。カリフォルニアへの留学経験あり。

●真栄平仁(まえひら・ひとし)
「ひーぷー」の愛称で親しまれる。劇団O.Z.Eを旗揚げし、作・演出担当として所属。ラジオ沖縄「ティーサージ・パラダイス」、沖縄テレビ「ひーぷー☆ホップ」などに出演。沖縄を代表するMCとして知られる。

西向幸三(にしむかい・こうぞう)
ラジオ一筋26年。FM沖縄「ゴールデンラヂオ放送」放送局長。サブカルからスポーツ・音楽・時事まで幅広い好奇心を持つ。2014年、第51回ギャラクシー賞を受賞。

100年後に伝えたい夢がある―。琉球新報社は5月25日正午から、沖縄県那覇市泉崎に新本社ビルが落成したのを記念して、県内外で活躍する県出身アーティストやお笑い芸人に「100年後に残す“夢”」を語ってもらうラジオ公開放送を新本社ビルで行う。ラジオ沖縄の「ティーサージ・パラダイス」と、エフエム沖縄の「ゴールデンアワー」の人気2番組によるコラボ放送という初の試み。

出演は両番組の司会の真栄平仁さんと西向幸三さん、糸数美樹さんはもちろん、ゲストにかりゆし58の前川真悟さんと新屋行裕さん、リップサービスの金城晋也さんと榎森耕助さんのほか、スペシャルゲストとして女優の比嘉愛未さんも登場する。それぞれの100年後の未来を展望する。