これぞ沖縄・国際通りの石敢當!?【琉球新報新本社ビルCHOSA班】

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琉球新報の新本社ビルが、いよいよ本格始動しています。琉球新報の副読紙である週刊レキオでも、この一大トピックを見逃すわけにはいきません。そこで今回は、島ネタCHOSA班の特別編として、調査員が新本社ビルを探検。「新本社ビルCHOSA班」と題し、その見どころに迫ります。




というわけで、新本社ビルの建つ那覇市泉崎に足を運んだ調査員。ご存じの通り、周辺は沖縄県庁、那覇市役所、大型商業施設がひしめく那覇市の中心地。新本社ビルの正面には国際通りも伸び、まさに那覇のメインストリートといった趣です。

じつは、週刊レキオの編集室があるのは、那覇市港町の琉球新報開発ビル内。調査員も、新本社ビルに足を踏み入れるのは初めて。では、いざ新本社ビルへレッツゴー!


玄関前に広がる公開空地。市民に交流と憩いの場を提供します

公開空地に石敢當


公開空地には石敢當も

まずは外観。新本社ビルは、地上11階、地下2階建て。高さはもちろんのこと、印象的なのはその「形」。ユニークな三角形のビルですが、この造形、実はあるものをイメージしているんです。

それは、「船」。国際通り側から見ると、ちょうど大海原へ乗り出そうとしている帆船のように見えます。「時代を突き進む船」を思わせる姿は、沖縄の新たなランドマークたるにふさわしい印象。

ビル正面のロゴマークを見上げつつ、正面玄関へ。手前には、柱で支えられた巨大な吹き抜けの空間が。こちらは、一般に開放された公開空地。これからの季節、日陰となるスペースはありがたいところ。公開空地に面して読者サービス室も設置しています。

さてここで、レキオ読者に注目してもらいたいチェックポイントをご紹介。公開空地の隅には、黒い石板が。さて、何でしょう? ヒントは、突き当たり。はい、もうお分かりですね。石敢當です。新本社ビルの正面道路は、突き当たりになっているのですが、ちゃんと石敢當も設置され、魔除け対策もバッチリ(?)です。


「新聞蝶」が舞う


玄関をくぐり、エントランスホールへ向かった調査員。落ち着いた照明とインテリアは、まるでホテルのよう。シックな空間といった雰囲気です。


エントランスホールの奥、オオゴマダラが舞う蝶園

ふと、ホールの奥にガラス張りのミニ庭園を発見。緑の植物に心が和みますが、近づいてみると、那覇市のチョウ・オオゴマダラが何頭も、大きな翅(はね)を広げて優雅に飛び交っています。そう、ここは蝶園。平日午前9時半~午後5時半に開園しており、見学が可能です。

オオゴマダラは、翅の模様が新聞紙のように見えるため「新聞蝶」と呼ばれることもあるチョウ。新本社ビルにピッタリ!? 



ホワイエはインスタ映え


展示会などに利用できる2階のギャラリースペースを見学しつつ、調査員は3階~5階を貫く新しい琉球新報ホールへ。

読者事業局 文化事業推進部の仲原崇夫さんに案内され、1階からエスカレーターでホワイエ(客だまり)へ上がると…。床には、深い海のような青いじゅうたん。窓ガラスの向こうには、泉崎の都会的な風景が広がっています。

インスタ映えしそうなシチュエーションにウットリする調査員に「天井の形に注目してください」と仲原さん。見上げると、半球形のまる~い曲面になっています。不思議な形ですね、何だろう?

頭をかしげる調査員に、仲原さんは「船底の先端の丸い部分をイメージしています」と説明。あっ、確かに!


見どころ満載 新ホール


琉球新報ホール。舞台と客席の距離が近く、臨場感ある演技が期待できます

響きの秘密は壁にあり


壁の凹凸は音響効果を考えて計算されています

いよいよ扉を開け、ホールの中へ。座席数は606席。ズラリと並ぶ赤いシートが圧巻です!

舞台は幅も奥行きもひろびろ。「舞台の大きさが必要なバレエコンクールやダンス系のイベントでは、せり出しの舞台を設置することもできますよ」と仲原さんは特徴を解説。「そのため、前方の238席は収納可能な移動観覧席になっています」

へぇ~、そんな仕組みが!

ホールのもう一つの見どころは、「壁」。壁面には、長方形の凹凸がつけられています。これ、じつは単なる装飾ではありません。演奏を効果的に響かせるため計算された形なんだそう。

「リハーサルで使用した皆さんも『音の響きがよく、奥まで声が届く』と驚かれていましたよ」と仲原さんは胸を張ります。

さらにホールには、世界中のピアニストから人気のあるスタインウェイのピアノも設置されていますが、現在はお披露目に向け、調律などの調整をしながら専用ピアノ庫に保管しているとのこと。


緞帳にこめられた数字


ウエチヒロ氏が原画を担当した緞帳「星のブランコ」も、ホールの顔

ホールにはスタインウェイのピアノも。演奏時以外は、専用ピアノ庫で管理

舞台を飾る緞帳(どんちょう)は、沖縄を代表する画家の一人・ウエチヒロ氏が原画を担当。「星のブランコ」と題したファンタジックな作品です。琉球弧の伝統的な文様を取り入れつつ、現代的な感覚でまとめられたデザインに魅了されます。

「絵柄には、明治まで沖縄で使用された算用数字『スーチューマ』も出てきます。琉球新報創刊日の『1893年9月15日』や、新本社ビルが完成した『2018年』を表しています」と仲原さんがちょっと種明かし。「過去から未来へつなぐという思いがこめられた、すてきな作品だと思います」

過去からつながる「未来」も、新本社ビルの大事なコンセプト。100年後を見据えた文化の殿堂として、「沖縄を代表する情報発信拠点」「文化の懸け橋=階(きざはし)」を目指しているのです。



外観照明にも注目


ライトアップされた新本社ビル。その姿は、あたかも夜空に浮かぶ帆船!

調査の締めくくりとして、調査員は、夜になって再び新本社ビルを訪れました。すると…。明るくライトアップされた新本社ビルが! その姿はまるで夜空に浮かぶ琉球帆船のようです。

外観照明のデザインは、東京スカイツリーの照明を手掛けたシリウスライティングオフィスの戸恒浩人(とつね・ひろひと)氏が担当。

時代の先端を進む帆船のような新本社ビルを眺めつつ、沖縄の未来にしばし思いを馳せた調査員なのでした。



社員の声を聞きました

新本社ビル6~10階の事務フロアに通う社員に印象を聞いてみました。すると「オフィス街なので飲食には困らない」「営業先が近くなった」と優れた立地を喜ぶ声が。

モノレールやバス通勤に切り替えた社員も多くいますが、「交通渋滞に巻き込まれないので精神衛生上いい」「バス通勤は1時間かかってしまうけど、通勤時間を利用してスマホアプリを使って英語の勉強を始めました」とポジティブにとらえている様子。エコや渋滞解消にもつながりますね。

事務フロアの雰囲気については、「天井が高くなり窓も広いおかげで開放感を感じながら仕事に取り組めている」「机やイス、什器類(じゅうきるい)が一新され、統一感があり気持ちいい」との感想。「ホール、ギャラリー、1階の公開空地が県民のオススメスポットと言われるよう楽しいことをしていきたいです」と、意気込みを見せました。



(2018年5月31日 週刊レキオ掲載)




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