父として、芸人として…お笑いタレント・ベンビーさんが大切にしていること


この記事を書いた人 仲程 路恵

父の日インタビュー
子どもと向き合う時間大切に お笑いタレント ベンビーさん

ことしの父の日は6月17日(日)。
プレゼントやメッセージで、家族のために毎日頑張るお父さんに、感謝の気持ちを伝えましょう。

沖縄県立博物館・美術館(おきみゅー)の野外展示場に建つ赤瓦づくりの民家で、ベンビーさんに「お父さんらしいポーズを」とリクエスト。ピシッとしながらも、どこか柔和さが感じられる姿はベンビーさんならでは=那覇市おもろまち 写真・喜瀨守昭

穏やかな包容力で成長を見守る

テレビやラジオをはじめ、舞台や映画など、幅広く活躍するベンビーさん(43)も、家では父親。中学1年生の長女、小学校3年生の長男が帰りを待つ。平日は夜遅くまで稽古、土曜・日曜も仕事が入ることが多く、子どもに接する時間が限られているベンビーさん。その分、積極的に子どもに向き合おうという意識を持っている。

「子どもと一緒に過ごす時間が少ない分、積極的に関わっていこうという意識はありますね」

妻と子ども2人の1家4人で暮らすベンビーさんには、子どもと過ごす時、いつも意識していることがあるという。それは、「子どもが興味を持ったものに自分も興味を持つ」ことだ。

◎「感動の共有」を意識

「ラジオパーソナリティーの金子耕弐(かねこ・こうじ)さんがアドバイスする『感動の共有』を心がけています。例えば、娘とは、好きな芸能人の話をしたり、息子とは、スマホのゲームを一緒にしたり…」

娘との話を合わせるため、芸能人のサイトをチェックして、名前を覚えている、とベンビーさんは笑う。

その延長で、一緒に海やカラオケに行ったり、工作をやったり絵を描いたりすることもある。子どもたちが小さい時には、絵本の読み聞かせにも取り組んだ。

◎子どもの意思を尊重

「子どもには、いろいろなことに興味を持って、やりたいことを自由にやってほしい」―。

子どもの将来についてどう考えますか? という記者の質問に、ベンビーさんはこう即答した。

今回撮影とインタビューを行ったのは、那覇市おもろまちの「おきみゅー」こと沖縄県立博物館・美術館。ベンビーさんも、長男が好きな昆虫の展示を見に訪れたこともあるそうだ=エントランスホールにて

ベンビーさんは中高一貫の進学校として知られる昭和薬科大学附属高等学校・附属中学校を卒業し、琉球大学に進学したという経歴を持つ。

「僕は大学に7年通い、おまけに留学までさせてもらいました。相当お金がかかっているはずなのに、25歳で『お笑い芸人になりたい』と言い出した時、両親は一応反対したけど、そんなに激しく否定するわけでもなく、結局は自由にさせてくれたんです」

父親となった今、ベンビーさんも自身の両親と同じように、子どもの意思をできるだけ尊重したい、と話す。

「子どもがこの先、何になりたいと言い出しても受け入れようと思っています。少なくとも、話は聞きます」

子どもたちを受け入れようとする言葉からは、ベンビーさんが子どもたちとしっかり向き合っている姿勢、穏やかな包容力が伝わってくる。

ただし、子どもを甘やかすという意味ではない。日々、叱るべき場面では、しっかり叱っている。子どもたちもベンビーさんの言葉はすなおに受け入れるという。日頃の信頼関係のなせる業だろう。

   * * *

「父の日ですか? お酒を飲んでゆったり過ごせたらと思います。子どもたちが氷を取ってきてくれたら最高ですね」と気負いなく話すベンビーさん。

日々の暮らしの中で、子どもたちをしっかり見守り、成長を受け止めるベンビーさんにとっては、毎日が父の日なのかもしれない、と思った。

(日平勝也)

沖縄県立博物館・美術館では、博物館企画展「新収蔵品展―平成29年度収蔵資料―」ほか、各種展覧会を開催中です。博物館常設展、美術館コレクション展は未就学児および70歳以上の方、県内の小・中学生は観覧無料。詳しくは22面の「イマネタ」をご覧ください。

■プロフィル

ベンビー 本名・大嶺栄(おおみね・たかし)。1974年生まれ、沖縄市出身。琉球大学卒業。沖縄テレビ「ウィンウィン」レポーター、78タイフーンfm「オリジンアワー」月曜日パーソナリティー、映画「ハイサイゾンビ」出演など、各種メディアで幅広く活躍。オリジン・コーポレーション所属

■衣装協力
 フェローズ 佐久本洋服店
 那覇市田原2-7-1 電話 098(852)1780
 11時~19時 月曜定休(月曜祝日は営業、翌火曜休み)

(2018年6月7日付 週刊レキオ掲載)