慰霊の月に考えたい 戦争・平和 沖縄県産本☆ バックヤード便り[44]

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第44回 慰霊の月に考えたい戦争・平和

 

6月、1年の折り返し間近となりました。新刊書店では、クリスマスのフェア、来年度の手帳・カレンダーについて、どれくらい仕入れようか担当者が考え始めるころでしょう。暑いうちに年末を想像するのも不思議ですが、季節感ある棚づくりのため、数カ月〜半年前に出版社へ注文、準備しておきます。そうしておくと、ちょうどいいタイミングで本が入荷し、お客さまが「そうそう、こんな季節だった」と感じられる、面白みある店頭になります。忙しいけれどやりがいのある、新刊書店ならではの仕事です。

くじらブックスのように、古書が多く新刊書の割合が少ない店は、店頭の在庫から時期に合った絵本や書籍を展開し、季節感が感じられるよう工夫します。今月は沖縄県民にとって特別な「慰霊の日」がくることに合わせ<戦争・平和を考える>コーナーを設けました。


自らの戦争体験を後世に引き継がなければ、という強い願い・使命感から生まれた体験集

「慰霊の日」は、1945年6月23日沖縄戦の組織的戦闘が終結したことにちなみ定められました。しかし実際は、沖縄の日本軍が降伏文書に調印する9月7日頃まで戦闘は続き、老若男女、多くの一般住民が犠牲になりました。くじらブックスのある南部地域は、戦時中特に激しい攻撃を受けたことで知られ、現在も避難時に使用された壕やガマ(自然洞穴)、野戦病院跡などたくさんの戦跡が残っています。糸満市摩文仁の「平和祈念公園」「ひめゆりの塔」など数多くの慰霊碑も建てられ、毎年6月間近になれば県内外から多くの人々が鎮魂に訪れる地域です。当店では開店当初から戦争・平和学習に関する本をできる限り取り揃え、ご注文・お問合せにも対応しています。

戦後沖縄では、大田昌秀氏など研究者によって書かれた戦争に関する調査書・記録集、体験者の辛い経験を書き綴った体験集などが数多く発行され、次世代に向けて過ちを繰り返さないよう伝え続けてきました。地元出版・自費出版が他府県に見られないほど盛んな理由の一因も、自分たちの体験を後世に引き継がなければ、という強い願い・使命感からのように感じます。


近年では、2013年沖縄全戦没者追悼式で朗読された安里有生くんの詩を元に、絵本「へいわってすてきだね」=写真=が本土の出版社・ブロンズ新社から発行され、ロングセラーとなりました。私たち戦後世代も、どのように戦争や平和について考え、語り継いでいくべきか。みんなで話し合い発信していくことが大切と実感させてくれる本でした。

県内の書店・公立図書館・学校図書館の多くで、この時期「慰霊の日」特集が展開されています。ぜひ、考えるきっかけとなる本と出合いに訪れてみてください。



渡慶次 美帆(とけし みほ) 1984年生まれ。豊見城市出身。大学卒業後、株式会社ジュンク堂書店入社。池袋本店・那覇店勤務を経て、2015年小さな本屋「くじらブックス」として独立。那覇市・松川で店舗営業の後、18年2月八重瀬町屋宜原にて「くじらブックス&Zou Cafe」オープン。 最近、探している本のお問合せも多くいただきます。新刊・古本いずれでもお探しできます、気になる本がある方はお気軽にお電話ください。

電話&FAX:098-998-7011 営業時間:11時〜20時(主に火曜休)


 


くじらブックス&Zou Cafe  
http://kujirabooks.blogspot.jp/



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