沖縄41市町村がTシャツになった! コンセプトは「愛と誇り」


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県内41市町村をTシャツに
REPRESENT OKINAWA(レペゼンオキナワ) CUEさん

県内41市町村がテーマのTシャツが、今、話題を集めている。6月1日~10日に浦添市港川の雑貨店「Proots(プルーツ)」で開かれた展示即売会の画像が、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)経由で拡散。会場には多くの人が詰めかけ、Tシャツの企画・デザインを手がける「REPRESENT OKINAWA(レペゼンオキナワ)」のCUE(キュー)さんは「予想以上の反響でプリントが追いつかない」とうれしい悲鳴を上げている。

6月1日~10日まで、浦添市港川の雑貨店「Proots」で開催された「REPRESENT OKINAWA」の展示販売会の風景。県内41市町村の名称をモチーフにしたデザインはインパクト大。Tシャツを手にするのは、企画・デザインから印刷まで1人で担ったCUE(キュー)さん  写真・村山 望

「NANJO」「KADENA」「NORTH DAITO」―。

Tシャツには、県内41市町村の名称が、アルファベットで大胆にあしらわれている。いずれもスポーツチームやカレッジTシャツのロゴを思わせる洗練されたデザインだ。港町である糸満市には碇(いかり)、闘牛が盛んなうるま市には牛、那覇市にはかつてのランドマーク・那覇タワーといった具合に、各市町村を象徴するマークが登場することもある。

スポーティーかつ都会的なテイストに、男性からは「かっこいい」、女性からは「キュート」という声が寄せられる。

地元の人に着てほしい

「お土産物という感じではなくて、沖縄の人に着てほしいという思いがある」。Tシャツの企画・デザインからプリントまで、すべての工程を1人でこなすCUEさん(39)はこう話す。

CUEさんは、県内でグラフィックデザインやウェブデザイン、ゲーム音楽などを手がけてきたクリエーター。2007年に「合同会社 ミドル」を設立し、Tシャツの販売を行ってきた経験を持つ。

これまでは沖縄に特化したデザインは行っていなかったが、この4月に「レペゼンオキナワ」を立ち上げ、県内41市町村をテーマにしたTシャツの作製に取り組んだ。

 

ブランド名に織り込まれた「レペゼン」とは、ヒップホップやラップなどでよく使用される言葉。「代表する」という意味の英語だが、同時に「誇りに思う」というニュアンスが込められている。

「沖縄は郷土愛が強い島。地元の自然や文化にもう一度目を向け、ホームタウンを誇り、愛していくということがコンセプトです」とCUEさんは力説する。

レペゼンオキナワのTシャツは、カレッジTシャツ風の洗練されたデザインが魅力。日々の生活の中でも、違和感なく着こなせそうだ=「Proots」での展示販売会会場にて

SNSで話題に

Tシャツは、CUEさんが1人でデザインした。シルクスクリーンを使って、自ら手作業で1枚1枚プリントを行う

郷土を誇り、愛するというブランドのコンセプトに、浦添市港川の外人住宅街内の雑貨店「Proots」のオーナー・萩原悠さんが共鳴。6月1日から10日まで、同店を会場に、展示販売会が開かれた。

壁面にズラリと展示されたTシャツを来場者たちが写真に撮り、SNSに投稿。ユニークなデザインとコンセプトが話題を呼び、多くの人が会場を訪れた。県内で活躍する有名アーティストらも足を運んだという。

「予想外の反響があり、プリントが追いつかない」とCUEさんが話すほどオーダーが殺到。ウェブサイト経由で注文が可能だが、この記事を執筆している時点で、納品まで10日~2週間ほどかかる状況だ。

自分が暮らす地域のTシャツはもちろん、市町村と同じ名字のTシャツを買い求める例も多く、CUEさんは「地域名と名字が重なることが多い沖縄ならではの現象かな」と頬を緩める。

「地元を離れて暮らす人へのプレゼントにも活用してほしい」とアピールするCUEさん。地域愛とデザイン性を見事に融合させたTシャツを応援したい。 

(日平勝也)

(2018年6月28日付 週刊レキオ掲載)