いざという時に役立つ!スマートフォンの災害時使用ノウハウ モバプリの知っ得![61]


この記事を書いた人 稲嶺 盛裕

6月18日の朝、大阪北部を震源としたマグニチュード5.9の地震が発生しました。最大震度は6弱で、高槻市では小学校のブロック塀が崩れて女子児童が亡くなるなど悲しい被害が沢山出ました。

こうした時に直接被災しなかった私たちができることは「自分なりに被災地を支援すること」「防災体制を今一度確認すること」の2点です。

防災に関しては、食料の備蓄・職場/学校からの避難経路の確認・家族での集合場所を決めるなど、従来からある対策に加え「スマートフォンの役にたつ使い方を知っておく」などの新しい情報も必要です。

今回は、災害時に役立つスマートフォンの使い方をまとめたいと思います。

 

画面は暗く使う・モバイルバッテリーを常備する

災害時のスマートフォン運用で重要となるのが、連続稼働時間を延ばすことです。
使うべきタイミングでスマートフォンのバッテリーが尽きていたら、せっかくの便利機能も使うことができません。

バッテリー残量が減る一番の原因は、画面を明るくする「バックライト」です。使い方にもよりますが、バッテリー使用の半分以上が画面を明るくすることに使われているのです。
他の細かい設定をこまめに調整するよりも、画面の明るさをグッと抑えることで連続稼働時間は大幅に伸びます。
画面の明るさを抑えると、今度は画面が見えづらくなります。そのため、利用する時は暗い場所で使うといいでしょう。

また、スマートフォンは電波が悪いと必死になって電波を探します。そのため、バッテリーの減りも早くなります。
大規模な災害になると、携帯電話会社の電波塔(基地局)が停電などで使えなくなり、電波が悪くなります。
こうした時は「機内モード」に切り替えるのも有効です。機内モードにすると電波が遮断されるため通話・通信ができなくなりますが、いずれにしても携帯電話会社の基地局がダメになっていると使えません。機内モードにすることで、スマホが電波を探すのを諦めるために無駄な電池利用を抑えることができます。

停電の時の心強い味方は「モバイルバッテリー」と呼ばれるスマホ周辺機器です。
モバイルバッテリーを充電することで、スマホを複数回充電できる電気が溜まります。
 

最近はモバイルバッテリーメーカーも「防災」を意識してか、ライト機能を搭載したモデルも登場しています。スマホの充電もできて、懐中電灯にもなる。防災の強いお供です。

しかしながら過去にはモバイルバッテリーから「発火」したトラブルも。
便利である反面、信頼できる製品を選ばないと、逆に危険な目に遭います。

 

【関連記事】便利だけど気をつけたい!モバイルバッテリーの使い方 モバプリの知っ得![25]
https://ryukyushimpo.jp/style/article/entry-586306.html

 

 

災害時の連絡手段として作られたLINE

大規模な災害が発生すると、被災地の電話回線がパンクします。
被災地で緊急通報が増えたり、全国から安否確認の連絡が殺到するからです。

災害時の連絡手段として便利なアプリは、皆さんも使っているであろう「LINE」です。

日本で広く普及しているLINEですが、2011年の東日本大震災を踏まえ「連絡を便利に取れるように」と開発されたアプリです。メッセージを相手が見たのか分かる「既読」表示などは、そのためです。

前述したように、構造上電話回線はパンクしやすいため災害時にはすぐに使えなくなります。しかし、ネット回線、それもメッセージであればネットワークへの負担も低いため、すぐに送れます。
また被災した方も、電話より自分のペースで連絡できるメッセージの方が便利でしょう。

どうしても声を聞いて安心したい場合は、LINEの無料通話機能を使います。
LINEの無料通話は電話回線を使っていないため、災害時でも繋がりやすくなっています。

スマホ防災アプリは沢山ありますが、事前の準備が必要だったり、使い方に慣れていないと、いざという時に使えない可能性があります。

その点LINEであれば、日常的に家族や仲間たちと使っていると思うので、災害時にも安否確認の連絡ツールとしてスムーズに使うことができます。
 

 

災害時にはコンビニがWi-Fiステーションに早変わり!

街中には携帯電話会社をはじめ、様々な会社が「Wi-Fi」を設置しています。
利用には登録や申し込み、設定が必要だったりと「使いにくい」と感じることが多々があります。

しかしながら災害時には「00000JAPAN(ファイブゼロジャパン)」と名前が変わり、複雑な設定や申し込みをしなくても、すぐにWi-Fiが使えるようになります。

 

 

00000JAPANへと切り替わることで、コンビニや商業施設などですぐにWi-Fiへと接続が可能になります。
自宅や職場近くのWi-Fiスポットをあらかじめ確認し、災害時の接続先を意識しておくといいでしょう。

 

他人事としてとらえない

過度に不安にならないために「自分は大丈夫」と思い込む、正常性バイアスが働くことがあります。

「自分は被災しない」もそうですし、「病気にはならない」なども正常性バイアスです。

正常性バイアスが働くことでパニックになりにくい一方、対策を取らずに被害に会うことも考えられます。

地震に限らず、台風・大雨などの自然災害や山で遭難するなどのトラブルも考えられます。

「その時になって後悔しても遅い」ということがあるため、こうした災害時には他人事としてとらえるのではなく、しっかりと対策を取りたいですね。
 

 

 琉球新報が毎週日曜日に発行している小中学生新聞「りゅうPON!」7月1日付けでも同じテーマを子ども向けに書いています。

 親子でりゅうPON!と琉球新報style、2つ合わせて、ネット・スマホとの付き合い方を考えるきっかけになればうれしいです。

【プロフィル】

 モバイルプリンス / 島袋コウ 沖縄を中心に、ライター・講師・ラジオパーソナリティーとして活動中。特定メーカーにとらわれることなく、スマートフォンやデジタルガジェットを愛用する。親しみやすいキャラクターと分かりやすい説明で、幅広い世代へと情報を伝える。

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