「吉本坂46」メンバーに選ばれて紅白出場!? よしもと沖縄の「ありんくりん」


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ウチナーグチが達者なヒゲ男とマネキン顔のハーフ。見た目もインパクト大な「ありんくりん」は、高校生のころに友達の紹介で出会った仲良しコンビです。7月7日には「よしもと沖縄花月in琉球新報ホール 」の出演が決まり、ピカピカの新しい舞台に立てると張り切っていますよ。全国デビューをかけたオーディションにも参加中という2人の最新情報をどうぞ!

ありんくりんの左からひがりゅうたさん、クリスさん=2018年6月、那覇市内

ありんくりんが紅白出場も!?

ー最近のホットな話題を教えてください。

クリス:秋元康さんと吉本興業によるプロジェクト「吉本坂46」のオーディションに勝ち残っています! よしもと所属のタレント総勢6000人がセンター目指して勝負するガチ企画です。沖縄の方たちが投票してくださって、2人そろって第4次オーディションに合格しました。ウチナー芸人を全国に送り出そうという県民パワーすごいです! (6月末時点の)現在は第5次オーディション待ち。これに合格したら最終審査に進み、秋元さんに対面できます!

りゅうた:2人一緒に上位113人に残ることができ、皆さんの応援に感謝しています。第5次オーディションは何とダンス! 有名音楽プロデューサーが審査すると聞きましたが…どうなるかな!?

クリス:合格したらよしもとの代表ですよ〜! すぐ周囲に流されて2人で東京に行っちゃうかも。(笑)。スターになれたらいいな〜。僕たちは顔が個性的だから、目立つようにがんばります!  

りゅうた:目指すはアイドル!? 紅白歌合戦出場が目標らしいので、歌手デビューしちゃったりして。精一杯やるしかないですね。

コンビ名のように「あれもこれも」に挑戦!

ーりゅうたさんは最近、初脚本を担当した「ヌチヌグスージサビラ〜沖縄のチャップリンと呼ばれた男〜」という舞台が好評でしたね。

りゅうた:戦後沖縄で大衆芸能の復興を支えた演劇人「小那覇舞天(おなはぶーてん)さん」を主役にした公演でした。収容所を回って「ヌチヌグスージサビラ(命のお祝いをしましょう)」と人々に呼びかけた舞天さんの姿を伝えたかったんです。舞天さんの本業である歯科医のシーンも盛り込みました。三線漫談をもっと盛り込んだら良かったな〜という反省点を生かして再演できたらと思っています。

クリス:僕は沖縄の音楽を勉強したくなって、太鼓と三板(さんば)を練習中です。漫才とコントだけではなく、音楽も取り入れてありんくりん流の喜劇に挑戦したいんです。

りゅうた:僕たちにしかできないスタイルを築いていきたいですね。とはいえ重く考えず、何にでも挑戦したい。面白ければいいかなと思っています。クリスがこの顔で沖縄楽器弾くの、面白くないですか(笑)?

クリス:音楽にも僕なりの笑いは足しますよ。沖縄の舞台は、踊りも歌も真面目にやりつつ、時折遊びを入れてコント仕立てにしている演者さんが多い気がします。芸人みたいですごいと思いました。だから僕も楽器を身に付け、「ありんくりんは何でもする!」って言われたいですね。

りゅうた:だからコンビ名が「ありんくりん」だわけさ。「あれもこれも」って意味! でも吉本坂46のメンバーになったら、そんな気持ちは忘れるかもな。俺たち流されやすいから(笑)。

2人の存在が沖縄そのもの

ーありんくりんは、話し言葉もネタも沖縄色を前面に出したコンビですね。

りゅうた:ウチナーのお笑いが好きなんでしょうね。アメリカ顔のクリスが、沖縄芝居のせりふ風にしゃべった時点で面白いですよね? リアルなネタもやってみたい。ハーフとして生まれたクリスの実情を笑いにできれば強みになる、とイメージしています。うちなーぐち(沖縄の言葉)の意味は説明しませんし、自然のままを貫きますよ。

クリス:県外で活躍する沖縄出身の方たちは、標準語を使うことが多いですよね。でも僕たちが標準語を練習しても勝てませんし、コンビの良さも発揮できないと思います。普段会話するような感覚を大切にしたいんですよ。東京や大阪のテレビに出た時、「ありんくりんは沖縄にいる時と同じ。やることを曲げずに番組を荒らしているな〜」って思ってもらえるようになりたいです。リアルな目標は全国で有名になって、沖縄に帰っても生活できること!

りゅうた:その通り(笑)。うちなーぐちをしゃべって沖縄文化を広めたい。な〜んて、少しかっこいいことを言い過ぎましたが、お笑い1本で食えるようになりたい、というのが本音です。普通の生活ができればいいんです(笑)!

クリス:舞台やイベントに出て「琉神マブヤー」シリーズ最新作にも出演し、5年の芸歴でだいぶ知名度は上がったと感じます。でも実はコマーシャルに出たことがないんです。今起用してくださったら安いギャラで引き受けますよ! お買い得ですのでお声掛けください(笑)。

りゅうた:「沖縄色を出すって何なのかな?」ってたまに考えます。ゴーヤーやシーサーをネタに入れたら沖縄色になるんですかね!? 僕らは沖縄アピールは考えず「クリスとりゅうたがいるだけで沖縄を感じてもらいたい」気持ちでいます。「2人の存在そのものが沖縄色」だと思っていますから。

クリス:真面目に考えるようになったでしょう。僕たちも大人になりました(笑)。

沖縄県民を笑わせたい!

ー最後に目標など教えてください。

クリス:沖縄のコンテストでも結果を残したいです。でも、ボキャブラリーや構成力など、先輩たちにはかなわない面があることも認めます。

りゅうた:僕たちが優れているのは、パフォーマンス能力だと思うんです。なので今年は原点に戻ることにしました。

クリス:初心に戻って、いい意味で何も考えないようにしています。僕たちは「沖縄県民を笑わせたい」という思いだけでお笑い芸人になりましたから。

りゅうた:当時の素朴さを持ったまま、ありんくりんらしさを大切にパフォーマンスを磨きます。7月7日の新報ホールの舞台では、一番ウケるようにがんばりますよ。注目されて琉球新報さんの4コマ漫画「がじゅまるファミリー」に登場したいな〜。ももココロさん、僕たち漫画に描きやすいですよ(笑)。

クリス:同じ舞台に立つ大先輩たちに「沖縄にすごい若手がいる」って思われたい! もちろん観客のみなさまに笑っていただくことを一番にがんばります!

◇取材:饒波貴子(フリーライター) 

よしもと×琉球新報
「なはの日」よしもと沖縄花月in琉球新報ホール

7月7、8日の両日、那覇市泉崎の琉球新報新本社ビルに、全国で人気のよしもと芸人が大集結! 8日にはエンターテインメント総合専門学校「沖縄ラフ&ピース専門学校」によるワークショップもあり、参加者は新報ホールに登壇できるほか、2019年の沖縄国際映画祭のレッドカーペットを歩けちゃうかもしれません。1階の公開空地では大道芸人や子どもたちによるステージイベントや、こども記者による模擬記者会見、グッズ販売もありますよ。ふるってご参加くださいね!

(出演者)
◇7月7日(土)①午後1時開演 ②午後4時開演 ※開場は30分前
宮川大助・花子、中川家、笑い飯、品川庄司、ハイキングウオーキング、スリムクラブ、ありんくりん、ピーチキャッスル
◇7月8日(日)①午後1時開演 ②午後4時開演 ※開場は30分前
大木こだまひびき、笑い飯、東京ダイナマイト、友近、和牛、もりやすバンバンビガロ、初恋クロマニヨン、魁バーバリアン

(入場料)前売券4000円、当日券4500円
(チケット販売)チケットよしもと、ファミリーマート(イープラス)、デパートリウボウ、琉球新報本社、中部支社、北部支社

(問い合わせ)電話098-865-5255