お笑いコンビ・バンビーノが生み出した絶品カレー 味の秘密は沖縄産高級フルーツ


この記事を書いた人 仲程 路恵

沖縄を思って作ったカレー
バンビーノ 藤田裕樹さん 石山大輔さん

甘さたっぷりの県産高級パイナップル「ゴールドバレル」を使ったカレーが誕生! 紅芋で炊いたごはんを添えると、色鮮やかで沖縄チックな一品になる。このユニークなメニューを開発したのは、お笑いコンビ・バンビーノの藤田裕樹さん。先住民が「ニーブラ」と言って鹿などを狩るリズムネタで知られる有名芸人の彼が、なぜ沖縄の食に関わっているのか? 話を聞いた。

沖縄で取れた高級パイナップルでカレー作りに挑戦した、バンビーノの藤田裕樹さん(左)と石山大輔さん   写真・喜瀨守昭
藤田裕樹さん

調理師学校卒業後、イタリア料理人としてキャリアを積んだ藤田さんと、ブラジル留学を果たすほどサッカーに情熱を注いだ石山さん。しかし「お笑い芸人になりたい」と進路変更した二人は、大阪にある吉本興業の養成所への入学がきっかけで出会う。コンビ名の「バンビーノ」はイタリア語で「少年」を指し、ガキンチョ魂を忘れない思いを込めた。またワインはフランス語で『バン』、イタリア語では『ビーノ』。ワインも連想できると、藤田さんらしい発想で名付けたそうだ。

食育きっかけでメニュー作り

石山大輔さん

「僕らが所属している吉本興業で食育関連のプロジェクトが立ち上がり、僕は料理、石山はサッカーができるので、最近よく参加しているんです」と藤田さん。

鹿のかぶり物を着けた藤田さんが石山さん演じる先住民に狩られるネタでブレークし、ちびっ子人気が抜群な二人は食育イベントに引っ張りだこ。昨年冬、本島北部で開催されたアート展にて、レストランとの食育コラボメニュー企画があり、県産食材の「『ゴールドバレル』という品種のパイナップルと紅芋」を使う条件で料理を考えたという。

石山さんは「レストラン『美ら島キッチン』のシェフと何か作りましょうという話になり、3日間研究しました。藤田が悩みに悩んで、ギリギリ3日目に『カレーや!』って急に言い出したんです」と振り返る。

「ファミリー層がバイキングを楽しむレストランなので、カレーが合う。おしゃれなイメージのニョッキを提案しようかと思ってましたが、カレーにして良かったです」と藤田さんはほほえむ。

沖縄との深い縁

紅芋ごはんとの組み合わせを提案した藤田さんのアイデアは即採用。すぐに試作を始め、ターメリックを多くして色を明るくし、スパイスや県産ハーブの味わいにこだわった。「おいしくて見栄えのいいカレーを沖縄のために作りたい」と思いを込めた藤田さんは、パイナップルの味を生かした本格派甘口カレーを、ついに完成させたのだ。アート展で振る舞うと大好評で、今春にはレトルト化し販売を始めた。

「ゴールドバレルを知らない県民もいらっしゃると思いますし、他県で見ない島野菜もたくさんあります。沖縄の食材でおいしい料理を作っていきたいので、まずは『美ら島カレー』から。お土産品として空港に置いてもらえたら沖縄の味を広められますし、チャンスをくれた県民の皆さんへ恩返しできたらうれしいです」と藤田さん。

藤田さん監修 「ゴールドバレルの美ら島カレー」 (製造者:美ら島フードサービス)は1パック500円。よしもとエンタメショップOKINAWA(イオンモール沖縄ライカム4階)で販売中です

「吉本芸人の中で、一番多く沖縄に来ているのではないかと思います。見かけたら気軽に声をかけてくださいね」と石山さんが気さくに話す。

実はマネジャーが県出身者で、藤田さんは2015年に名護市役所で婚姻届を提出したなど、とにかく沖縄との縁が深い二人。藤田さん考案のカレーが商品になったのは、偶然ではなさそうだ。これからも食と笑いで沖縄とつながっていてほしい。

(饒波貴子)

「よしもと沖縄花月」の舞台に立つ二人。沖縄に来る機会は多く「老後は住みたい!」と藤田さん(左)

プロフィル
バンビーノ:2008年に結成した、石山大輔さん(いしやま だいすけ/愛媛県出身)と藤田裕樹さん(ふじた ゆうき/大阪府出身)によるお笑いコンビ。 石山さんはサッカーでブラジル留学の経験があり、藤田さんは元イタリア料理人

<Twitter>
バンビーノ石山 @ishiyamantohihi
バンビーノ藤田 @fujiboy0730


<出演情報>

8月18日(土)、19日(日)バンビーノが「よしもと沖縄花月」(那覇市前島:とまりんアネックスビル2階)特別公演に出演します!

①13時開演 ②15時開演 ③17時開演

チケット前売り2,000円/当日2,500円で発売中。

お問い合わせは「チケットよしもと ☎ 0570-550-100」まで

(2018年8月2日付 週刊レキオ掲載)