私ことモバイルプリンスは2018年2月より、沖縄県警から任命を受け「サイバー防犯PR大使」を務めています。
沖縄に限らず、全国的に広がるサイバー犯罪。その手口は常にアップデートされ、対策も一苦労です。自分や、家族・友人などの大切な人がサイバー犯罪に巻き込まれないためにも、その手口などを知っておく必要があります。
沖縄の検挙件数は3年連続で増加!
スマートフォンが幅広い年齢の人に普及し、便利に使えるようになった一方で、サイバー犯罪は増えています。
例えば、沖縄県内でのサイバー犯罪の検挙件数は、2015年93件、 2016年127件、2017年には144件まで伸びています。
そしてサイバー犯罪の相談件数は、2015年1018件、2016年1324件、2017年は1380件。検挙件数の10倍近い数字になっています。
この数字はあくまで警察が把握した件数です。
例えば「自転車が盗まれた」などの事例であればほとんどの人が警察に相談に行くと思います。しかしサイバー犯罪では、「このくらいいいか…」と泣き寝入りをしたり、場合によっては被害に遭っていることに気がつかなかったりすることが考えられるため、検挙・相談件数以上の被害が想定されます。油断しないようにしなければいけません。
サイバー犯罪はさまざまな種類があります。
例えば2017年の相談件数「1380件」のうち、半数以上は「詐欺・悪質商法」の相談です(756件)。これは「アダルトサイトなどで無料と思い、クリックしたら高額な会員料金を請求された」などの相談です。
相談件数が多いのは、それだけ多くの人の所に詐欺・悪質商法の案内が届いているということです。検挙件数は20件。相談が多いからこそ、ある程度防げていることが想定されます。
こうした詐欺の手口は、時代とともにアップデートされてきます。そのため「こうしておけば安心」という特効薬が存在しません。
最近では、Googleを装って「最新スマホをプレゼントします」というスパム広告が出てくることが問題になりました。
サイバー犯罪”当選詐欺” モバプリの知っ得![66]
https://ryukyushimpo.jp/style/article/entry-775503.html
これはGoogleでしたが、今後も他の企業を装ったり、手口を少しだけ変えたりと、似たような詐欺が登場してくるでしょう。
被害を防ぐためには常に警戒し、危険センサーを敏感に稼働させつつ、うまい儲け話はないということを頭に入れながら、気になったら警察に相談するなどの対策が必要です。
沖縄のサイバー犯罪の特徴
若者からお年寄りまで幅広い年齢層の人々が気をつけなければいけないサイバー犯罪ですが、沖縄の場合はある特徴があります。
それは、平成29年のサイバー犯罪の検挙数144件のうち、「児童買春・児童ポルノ法違反(35件)」「青少年保護育成条例違反(29件)」「児童福祉法違反(7件)」と、児童が被害者となる罪種が49.3%に上っていることです。
全国の統計では、2017年全体の検挙数9,014件に対して、児童が被害になる罪種の合計は3,093件で34.2%です。
(参考資料:警察庁の広報資料:平成29年中におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について)
警察によると、「こうした事件の背景にはSNSや交流アプリを介して児童と大人が接点を持つことが増えている」とのことでした。
親御さんはフィルタリングなどアプリの利用制限機能を使い、適切な指導のもとスマホを持たせなければいけません。
また、被害児童の中には「居場所」を求めている人も多いとのことでした。
学校やお家の居心地が悪く、その結果としてネットでのつながりを求める。
そしてネットでつながった相手に下心があった場合、事件に巻き込まれてしまう、といった具合です。
サイバー犯罪に注意してスマホなどを使うことも大切ですが、沖縄県の場合は「サイバー」以外の分野での対策も必要だと言えます。
琉球新報が毎週日曜日に発行している小中学生新聞「りゅうPON!」9月9日付けでも同じテーマを子ども向けに書いています。
親子でりゅうPON!と琉球新報style、2つ合わせて、ネット・スマホとの付き合い方を考えるきっかけになればうれしいです。
【プロフィル】
モバイルプリンス / 島袋コウ 沖縄を中心に、ライター・講師・ラジオパーソナリティーとして活動中。特定メーカーにとらわれることなく、スマートフォンやデジタルガジェットを愛用する。親しみやすいキャラクターと分かりやすい説明で、幅広い世代へと情報を伝える。