ネガティブな投稿にはご用心! 言葉が伝わりつらいSNSの難しさ モバプリの知っ得![80]


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SNSで友人が誰かを批判していた時、例えばそれが名指しされていない批判投稿だった場合、「えっ、それって私?」とヒヤッとした経験はないでしょうか。

正確に言葉を伝えることは、とても難しいものです。それがSNSであればなおのこと。人間関係のトラブルを引き起こさないためにも、SNS上での「批判」に気をつけなければいけません。

「名指し」しない批判の問題点

褒めたつもりの言葉でも、相手を傷つけたり、不快な思いをさせてしまうことがあります。1対1で言葉を伝えることでさえも難しいのに、複数の人へ発信するSNS投稿はより誤解を招きやすくなっています。

また対面して会話をしている時には、身振り手振りや声色で微妙なニュアンスも伝わります。しかしながら、テキストでのやり取りはこうしたわずかな感情が伝わりにくいため、行き違いも出てきます。

例えば、よく遅刻をする友人への愚痴をSNSに投稿するとしましょう。その時、友人の名前を出さず「遅刻する人って本当に迷惑」と投稿すると、それを見た関係のない友人まで「これって、私のこと?」と嫌な気持ちになることもあります。
 

イラスト・小谷茶(こたにてぃー)

投稿者は名前を出さない「配慮」をしたつもりが、逆に多くの人に「モヤモヤ」を届けます。また「あいつ、あの人のこと悪く言ってる」などと、誤解から人間関係のトラブルに発展することも考えられます。

SNSへ愚痴を吐きたくなることもあるかもしれませんが、ボカした「指摘投稿」は、それを見た友人にネガティブな感情、思わぬ波紋が広がることがあるため、注意しなければなりません。

「名指し」する批判の問題点

では反対に、名前を出しての批判なら投稿してもいいのでしょうか。
例え事実であったとしても、個人間のトラブルをSNS上に投稿することは「暴露」になるため、こちらも注意が必要です。

SNSヘの投稿は、時に予期せぬ拡散を引き起こします。軽い気持ちで愚痴を投稿したつもりが、拡散して炎上すると自分が思っていた以上に暴露した人を傷つけることになります。炎上を止めたり、コントロールすることも難しく、元の投稿を削除しても、責任すら取れなくなることも考えられます。

前述した「遅刻」の例えのように、それが正しく事実であったとしても、人の失敗や欠点をやたらと名指しで投稿すると、自分が責任を取れないところまで広がる可能性があることを、自覚しないといけません。
 

どうしても指摘したいなら…

友人に遅刻癖を直して欲しいのであれば、直接対面した状態で伝えるなど、人の目につかない形にする配慮が必要です。

直接指摘しにくく、SNS経由で伝えるのであれば、「遅刻して人に迷惑をかけてしまったから気をつけよう」など、自分の失敗談としてまとめると、攻撃性が弱まり、問題の本質が伝わりやすくなるでしょう。

近年、「#metoo」運動やブラック企業の内部告発など、立場の弱い人がSNSに投稿したことによって発覚した問題や事件なども多数あります。

結果的に有意義となった「批判」もある一方、(名指しするしないに関わらず)リスクも相当高いため、言葉のニュアンスや伝わり方などを相当に考え抜いて、人間関係のトラブルへ発展しないように気をつける必要があります。
 

 琉球新報が毎週日曜日に発行している小中学生新聞「りゅうPON!」11月11日付けでも同じテーマを子ども向けに書いています。

 親子でりゅうPON!と琉球新報style、2つ合わせて、ネット・スマホとの付き合い方を考えるきっかけになればうれしいです。

【プロフィル】

 モバイルプリンス / 島袋コウ 沖縄を中心に、ライター・講師・ラジオパーソナリティーとして活動中。特定メーカーにとらわれることなく、スマートフォンやデジタルガジェットを愛用する。親しみやすいキャラクターと分かりやすい説明で、幅広い世代へと情報を伝える。

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