沖縄・うるま市のヒーロー「ウルマー」知ってる!?【島ネタCHOSA班】


この記事を書いた人 仲程 路恵

先日うるま市のイベントに行った友人が「伝統神ウルマー」というご当地ヒーローを見たと言っていました。興味があるので調べてください。

(宜野湾市 ウルタンマンさん)

うるま市のヒーロー、伝統神ウルマーですか。初耳です。周りのスタッフに聞いてみると、「知らない」「新しいゆるキャラ?」「(闘牛戦士)ワイドーなら知っているけど」などと言われる始末。ご当地ヒーローなだけにうるま市外には広まってないのでしょうか。

ネットで調べてみると、ありました! 見た目は戦隊モノ。 伝統神ウルマーはうるま市商工会青年部から誕生したとのこと。さっそく青年部の方たちのもとに向かいました。

待ち合わせ場所のうるま市商工会石川支所に到着すると、石川航部長、島袋敬司副部長、松島良太さん、宮城康行さんの4人が出迎えてくれました。ウルマーの等身大モニュメントともご対面! か、かっこいいです!

地域の伝統守る

(写真左から)ウルマーポースを決める、うるま市商工会青年部の島袋敬司副部長、石川航部長、松島良太さん、宮城康行さん。

「ウルマーが誕生したのは2013年。公募を実施し、応募総数271作品から選ばれたデザインが採用されました」と石川さん。

その姿は、金、赤、青色などカラフル。頭部に阿麻和利の向立(こうだて=金の飾り)、胴体とベルトのバックル部分とブーツには闘牛、ベルトと頭部に伊波メンサー織(細帯の織物)の模様、体には勝連城跡の石垣模様が取り入れられているとのこと。

好きな食べ物はもずく、あまSUN(ミカン)、ニンジン、オクラなど、うるまの特産品ばかり! 「うるまっ子」の育成と伝統継承を目標に掲げ活動しているというウルマー。存在自体がうるま市のPRになっています!!

誕生のきっかけについて、松島さんは「青年部の中でうるま市にヒーローを誕生させたいという声が上がり、『チームUプロジェクト』という委員会を設置。構想から2年かけて形になりました」と振り返ります。

2005年に4市町が合併して誕生したうるま市。各地域の伝統を大切にし、特産品のPRを行おうということで、名前の頭に「伝統神」を付けているといいます。

ウルマーは13年10月にうるま祭りでデビューを飾り、翌14年にはテーマソングとダンス「ウルマー☆ダンス」が完成。それ以降、保育園や小学校などに浸透していったそう。保育園に行くと園児たちからは歓声が上がるようです。

ウルマー☆ダンスが浸透

お茶目なポースのウルマー

「CDやDVDも市内の保育園などに無料配布しました。イベントで子どもたちはノリノリでダンスしていますよ」と宮城さん。「去年は、うるま市の保育園児の約9割は踊れていたと思います」と島袋さんも続けます。

テーマソングを歌うのは青年部に所属するアーティストのXICO(キシコ)さん。作詞、作曲、振り付けを手掛けたそう。

「具志川、石川、与那城、勝連などの地名やモズク、ニンジン、オクラ、あまSUN、ビーグ、電照菊などの特産品が歌詞に盛り込まれています」と石川さん。

ウルマー☆ダンスの動画を見せてもらうと、皆楽しそうに踊っています。歌や振り付けも覚えている子どもがたくさんいて、人気の高さがうかがえます。

去年は、千葉で開催された全国のご当地ヒーローが集まる「日本ローカルヒーロー祭」にも参加し、全国デビューを果たしたウルマー。今年10月には念願だった「ウルマー☆ダンスコンテスト」を開催。入賞者たち皆でステージで踊ったそうです。

ウルマー☆ダンスコンテストで踊る入賞者たちとウルマー。2018年10月21日

着々と活動の場を広げているウルマー。「うるま市の特産品などのPRを兼ねて今後何ができるのか、常に新しいことを考えやっていきたいです。楽しみにしていてください」と島袋さん。今後の活動に期待です。ウルマーは12月15日(土)のうるま市産業まつりに出演予定。みなさんもうるま市のヒーロー、ウルマーに会いに行ってみては。

(2018年11月22日 週刊レキオ掲載)