『駐在刑事』寺島進が語る「娘よ、その一言で1日がんばれる」


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「撮影初日には、スタッフ全員に『叙々苑焼肉弁当』の差し入れをしました。いちばん好きなロケ弁なんです。焼き肉というのは元気が出ますからね。“チーム駐在刑事”の景気づけにピッタリかと」

そう言うとおちゃめなピースサインを見せた寺島進(55)。ドラマ『駐在刑事』(テレビ東京系・金曜20時〜)は、寺島演じる元警視庁捜査一課の辣腕刑事・江波敦史が、自然豊かな奥多摩に左遷されながらも、人情あふれる“駐在さん”として、地元で起こった事件を解決していく物語だ。

寺島にとって『駐在刑事』は、地上波連続ドラマで初主演作品だが、初回スペシャルで10.1%、その後も好調だ(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。本誌は、人気の秘密を探りに、12月7日放送・最終回のロケ現場、東京都あきる野市の秋川渓谷へと向かった。

その日の撮影は行方不明になった住人の愛犬を捜索するシーン。待ち時間に川べりの草むらで、共演者の子どもたちに虫よけスプレーをかけてあげたり、現場を盛り上げるアドリブを入れたり、クランクアップした共演者をねぎらったりと、終始和気あいあい。ベテラン俳優・寺島進が、まさに“座長”としてみんなの中心にいた。

「でも、中だるみがあったりするとハッパをかけるときもありますよ。ピリッとさせて空気を入れ換えるというか、アメとムチ(笑)。今回は夜8時という時間帯だから“誰が見てもわかりやすい”ものをつくろうと現場でも知恵をしぼりました。自分が子どものときに何にワクワクして見ていたかと。高齢化社会に加えて、いまは各地に災害の被害に遭われた方が大勢いらっしゃる。だから、このドラマを見て、少しでも元気になってほしいと思って演じています。義理人情に笑いあり涙あり、家族愛、サスペンス、アクション、奥多摩の自然の癒しもあり、とにかく盛りだくさんで(笑)。この間、銭湯の休憩所で、おばあちゃんに声をかけられたんですが、『いやぁ〜。あの駐在刑事、わかりやすくていいね』って言ってくれた。うれしかったね」

寺島にはもう1人、最近できた大切なファンがいる。

「実は最近、幼稚園に通う息子が駐在刑事を見て感想を言うんだよ。『お父さん、イノシシが出てきて、車が止まるとかあったよね〜』とかいっちょ前のことを(笑)」

と言って顔をほころばせる寺島。'09年に一般女性と結婚。現在は小学生の娘と幼稚園児の息子がいる2児の父だ。

「娘からも今日、仕事に出る前に電話があったんです。『電車の中で、お父さんのCMが流れてたよ』と報告してくれてね。そして、最後に『お父さん、仕事がんばって〜』と言われて『お前もがんばれよ』と返した……。もうその娘の一言だけで一日がんばれる。家族を守らなきゃいけない立場だからね、“イクメン”と言われる時間も増やしていくつもりです。カミさんも、ずっと育児しているのは大変だし、1人になれる時間も少ないから。やはり何でもバランスが大事だと思います」

寺島はドラマの現場でも“父”のように考えることがある。

「ウチの家訓は『愛と恩義と結束力』。これは息子ができたときに、つくりました。撮影現場でも、この“家族の結束力”を大事にしていれば、すべてがよい方向に向かうと自信を持って言えます」
 

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