逃走中のピットブルを捕まえた「DJアニキ」時々「やなえもん」に迫る【島ネタCHOSA班】


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昨年10月に開催されたうるま祭りのサブステージで司会をされていた「DJアニキ」さんという方が芸人以上にユンタクが面白く、ファンになってしまいました。私は那覇在住のため彼の情報が全く入ってこないのがもどかしいです。ぜひ調べてもらえないでしょうか? 

 (那覇市 DJアネゴさん)

(写真①)DJアニキ

その正体を知りたいという熱、確かに受け取りました。早速コンタクトを取って根掘り葉掘り聞いてきましたよ~。

現れたDJアニキは、柄シャツにワイルドなひげ、その見た目は期待にたがわぬ兄貴感! しかしながら「この日のために散髪してきましたというちゃめっ気も持ち合わせています。それではアニキ、普段はどんな活動を?

「結婚式やイベントの司会、お笑いなどが主ですね。うるま市を拠点に活動しています。いや、うるま市の外でも活動したいんですけどね!」

一度聞いたら忘れないこの芸名の由来は?

「ラジオ番組で一緒にしゃべっていた相方が『兄貴』と自分のことを呼んでいたので、そのまま使っています。ただ、先輩方にも『アニキ』と言わせてしまうことになる弊害が出て困っています」

アニキ誕生のきっかけ

(写真②)司会でも活躍

DJアニキとして活動するようになったきっかけは?

「知り合いが北谷町のFMニライのリポーターからインタビューを受けることになって、心細いからと盛り上げ役で呼ばれたんです。そしたらその知り合いが急きょ来られなくなって、私が出ることになったんです。そこで無責任にワーワーやっていたら局の人に声を掛けられて、そのまま番組が始まりました」

スカウトで業界入りしたんですね! 元々しゃべるのは好きだったんですか?

「好きって言っても合コンで盛り上げるくらいですよ(笑)。30代後半できっかけをもらったので、まさか自分がしゃべる仕事をするのは想像もしていなかったです」

そんなDJアニキのしゃべりは、方言を交えた親しみのあるスタイル。どう作り上げられていったのでしょうか。

「自分は、(お笑い芸人グループの)『サンサンズ』の等身大で好き勝手なスタンスのしゃべりに若いころ衝撃を受けたんですね。月日が流れてイベントでネタをやっていたら、そのサンサンズの元メンバーである喜瀬さんが目に留めてくれて。それからサンサンズの皆さんには笑いはもちろん、マイクの持ち方から進行の方法まで司会のイロハを叩き込んでもらいました。師匠です」

「やなえもん」というキャラも

(写真③)講話をするやなえもん

DJアニキさんは、時に「やなえもん」というキャラクターに変身します。

「やなえもんとは、某ネコ型ロボットの格好をした中身は普通のおっさんです(笑)。思い付きで作ってやってみたら結構ウケまして。DJアニキじゃなくて、やなえもんでうるま祭りの司会をしたこともありますよ。衣装は嫁との合作で、100円均一を駆使しています。ありがとう嫁!」

ネタ動画を見ると、しっかりと社会の”やな~“なことを斬っていくフリップ漫談を披露。しかも本家にしゃべり方などを似せるそぶりは全くない。ただこのやなえもん、ただのおちゃらけた存在ではないんです。

「学校や施設を回って『いのちの授業』の講話を行っています。犬や猫の殺処分ゼロを目指して、子どものうちからペットを飼う中でのルールやマナーを教えていくべきだと思いまして。動物を大切にする、同じように人にも優しくする、命の大切さを伝えています」

地域貢献も行うかっこいい大人であるアニキ。そんなアニキの今年の目標は?

「去年の夏には、街中に逃走した闘犬ピットブルを捕まえることもできましたし良い年でした。今年は去年以上にオファーがもらえればと意気込んでいます!」

(写真④)サンサンズ喜瀬さん(左)と(写真②③④は本人提供)

(2019年1月3日 週刊レキオ掲載)