スクショのリスク理解してる?その使い方プライバシー侵害かも モバプリの知っ得![93]


この記事を書いた人 稲嶺 盛裕

スマートフォンやパソコンには、画面に表示されたものを撮影する「スクリーンショット」と呼ばれる機能が搭載されています。略して「スクショ」と呼ばれることも一般化してきています。

スクリーンショットすることで「今見ているもの」を簡単に保存することができ、とても便利です。
その一方、ネットへの投稿を削除しても、誰かが保存したスクリーンショットをアップすることで削除した投稿が事実上復活することも。

今一度、スクリーンショットを考えてみましょう。

 

イラスト・小谷茶(こたにてぃー)

とても便利なスクリーンショット

スクリーンショットは、現在発売されているほぼ全てのスマートフォンで使うことができます。

iPhone 8以前のiPhoneは「サイドボタン+ホームボタン」
iPhone X以降のiPhoneは「サイドボタン+音量を上げるボタン」
Androidスマートフォンのほとんどの機種は「電源ボタン+音量を下げるボタン」

で、スクリーンショットの撮影ができます。
ボタンを二つ同時に押す必要があるので、多少の慣れが必要ですが、回数を重ねると1秒でサクッと行うことができるようになります。

バス・電車の時刻や、Web検索で発見したお気に入りの商品をメモ替わりとしてスクリーンショットで残すことができます。
また、スクリーンショットで保存すると画像データとして残るため、ネットに接続していなくても閲覧することができます。飛行機に乗る前に、速度制限でネットの速度が遅くなる前に、スクリーンショットで見たい情報を保存しておけば、通信環境が悪い場所でも快適に見ることができます。

また、iPhoneは2017年から「スクリーンレコード」として、画面の動きを動画で残す機能を搭載しました(Androidはアプリで対応可能)
この機能を使って、スマートフォンの操作方法をレクチャーしたり、ゲームの好プレーを保存しネット上に投稿できるようになりました。

スクリーンショットの問題点とは?

基本的には便利に使えるスクリーンショット機能ですが、その便利さが思わぬ方向に転がることもあります。

代表例が「晒し(←ルビ・さらし)」行為です。
LINEやメール、あるいはダイレクトメッセージなどの「非公開のやりとり」もスクショで保存されて、公開されている場所に投稿されると、皆が見ることができるようになります。

「こいつ裏でこんなこと言ってるぜ」という告発が、簡単にできるようになるということですね。

昨年も、ファッションブランド「ドルチェ&ガッバーナ」の創業者ステファノ・ガッバーナ氏のInstagramダイレクトメッセージ内の差別発言がスクリーンショットにより晒され、大炎上しました。

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このように晒され炎上すると、取り返しのつかない状態になります。

ドルガバの創業者だけでなく、最近問題になっているアルバイトスタッフの非常識な行いの炎上動画も、最初は友人しか見ていないような場所へ投稿し、それらがスクリーンショットやスクリーンレコードで保存され、Twitterなどの大勢が見る場所に投稿されて炎上となっています。

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友人との何気ないやりとりをスクショし、Twitterで公開する人たちをよく見かけますが、個人間で行われる「私信」を無断で公開することは、プライバシー権の侵害にあたります。

身近な人間関係のトラブルから、ワイドショーで報じられる大々的な炎上まで、出発点は「スクショの無断転載・公開」であることが多いため、手軽さに気を抜かず、取り扱いに気をつける必要があります。

また、スクリーンショットは画像データとして保存されるため「画像編集アプリ」を使えば、簡単に編集・加工することができます。
例えば、LINEのスクリーンショットを保存し、編集アプリでトーク部分を書き換えれば「こいつ、Aの悪口を言っていた」と作り上げることもできます。

「勝手にスクショで晒さない」という心構えとともに、「スクショを簡単に信じない」という姿勢も大事です。

 琉球新報が毎週日曜日に発行している小中学生新聞「りゅうPON!」2月24日付けでも同じテーマを子ども向けに書いています。

 親子でりゅうPON!と琉球新報style、2つ合わせて、ネット・スマホとの付き合い方を考えるきっかけになればうれしいです。

【プロフィル】

 モバイルプリンス / 島袋コウ 沖縄を中心に、ライター・講師・ラジオパーソナリティーとして活動中。特定メーカーにとらわれることなく、スマートフォンやデジタルガジェットを愛用する。親しみやすいキャラクターと分かりやすい説明で、幅広い世代へと情報を伝える。

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