沖縄マンガをネットで発信!?【島ネタCHOSA班】


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沖縄をテーマにしたマンガを集め、インターネットで発信しているサイトがあると聞きました。興味があるので、調べてもらえませんか?

(那覇市 島休作さん)

ほう、沖縄をテーマにしたマンガを集めたインターネットのサイトですか。マンガ好きな調査員としては、聞き捨てならない情報です。

「沖縄」「マンガ」で検索すると…。「コミックチャンプルー」というサイトが見つかりました。愛称は「コミチャン」。えー、なになに、「沖縄発! 沖縄マンガのポータルサイト」とな。さっそくページを開いてみましょう!

無料のマンガも読める

「コミックチャンプルー」のサイト(画像は2019年2月末時点のもの)。無料作品、有料の電子書籍のほかにも、マンガ家紹介、インタビュー記事など情報盛りだくさん

沖縄の地名をテーマにしたマンガとして話題を集めた「実話・地名笑い?! 話 本部編」(南原明美・作)も、コミックチャンプルー発のマンガ。好評のため印刷書籍化されました

サイトを開いたところ、美麗なイラストが出現! トップページのイラストは月替りで更新されるようですが、2月(調査時)のイラストは県内で活躍するマンガ家・保里安則さんの作。沖縄美人が色鮮やかに描かれていました。

メニューを見ると、電子書籍、マンガ家紹介など、さまざまなコンテンツが並んでいました。その中でひときわ目をひくのが、「無料マンガ」の文字。無料っ…、その言葉には弱いんです(笑)。

「でも無料ってなにか裏があるんじゃ…」。疑い深い読者なら、そう思うかもしれませんが、心配ご無用。説明書きによれば、作家さんから寄せられた投稿作品を無料で掲載しているそう。発表の場を提供しているわけですね。

すぐには読みきれないほどの膨大な作品を無料で読むことができ、マンガのほか、小説、イラストも掲載されています。

すべてを紹介できないのが残念ですが、注目は「第12回おきなわ文学賞漫画部門」で佳作を受賞した若きマンガ家・盛口海さんの作品。なんと小学生にして琉球の歴史を題材とした力作を発表しています(「追うぞ! 山原船」ほか)。中には自ら取材を行った作品もあり、まさに後生畏(おそ)るべし!

そのほか、移住者の視点から沖縄の日常風景を描いたマンガ(「ネコとの遭遇@壺屋・牧志界隈」dreamtea3・作)や、未来の沖縄を舞台にSFアニメ・エヴァンゲリオンを思わせる展開を見せる連載小説(「守護神ゴーレス」みかつきなお・作)も人気のようです。

スマホやパソコンにダウンロードして読める電子書籍も多数紹介されています。こちらは有料ですが、試し読みも充実しているので、気に入った作品をじっくり探すことが可能です。

いずれの作品も沖縄をテーマにしており、セリフにも方言や沖縄の風物がふんだんに織り込まれ、ルポマンガでは身近なお店や場所が登場するなど、思わずホッコリ。全国誌ではこうはいきませんよね〜。

県内作家に場を提供

コミックチャンプルー編集長の島袋直子さん。「広告媒体用のマンガの制作も有料で承っていますので、お気軽にご相談ください」とのこと

サイトの運営を手がけるのは、島袋直子さん。1987〜90年に沖縄県内で発行されていたマンガ雑誌「コミックおきなわ」の第3代編集長を務めたという経歴の持ち主で、ご自身でもマンガを描いていらっしゃいます。

「県内にもマンガを描きたいという人はたくさんいます」と島袋さん。発表の場がほしいという声に応え、07年に無料公開のマンガサイト「コミックチャンプルー」を開設、12年には有料の電子書籍販売を開始したそう。

原稿料ナシの場合、編集部が手を加えずに掲載し、販売用の作品では、販売部数に応じて原稿料が発生するそう。どちらにするかは自由に選択できるとのこと。

「未発表のオリジナル作品であれば、プロ・アマ問わず、どなたでも応募できます。執筆陣は、ほとんど沖縄出身か在住の方ですよ」と島袋さんは作品の応募を呼びかけます。

絵心に自信のない方も、小説やマンガ原作で応募可能。あなたもぜひ、未来の作家を目指してみては?

コミックチャンプルー
http://comichan.com/

(2019年3月7日 週刊レキオ掲載)