ハウツー・ヘルパーとの生活 100cmの視界から―あまはいくまはい―(44)

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昨年のヘルパーパーティーにて 越智貴雄さん撮影

総勢10人のヘルパーと一緒に、3歳と5歳の子育てをしている私。なるべく楽に、楽しく過ごしたいので、ちょっとした工夫をしています。

自分の取扱説明書を作り、気を付けてほしいことを伝えやすくしています。「片耳が聞こえないので、聞いていないことがあります。無視をしているわけではないので、もう一度言ってください」と文字にすると、新しく来た人にも説明しやすいです。

1メートル以上の高さが届かない私は、物をしまう時、入れる袋の色を変えています。「赤い袋を取って。お弁当箱が入っているから」と言うと、ヘルパーさんが探しやすく、私も覚えやすいからです。

お気に入りのコップをヘルパーさんが割ってしまっても「大丈夫?」と必ず先に聞くようにしています。だってわざとやったわけではないと知っているからです。私も狭いお店で間違って商品を倒してしまった時、心苦しいのですが「おけがはないですか?」と聞いてくれるお店なら、また利用したいと思うからです。ヘルパーさんもそうでしょう!?

「洗濯物をきれいに干してあったから、畳みやすかったよ」「野菜をきれいに切ってくれたから、みそ汁の味がおいしくなったよ」といいことがあれば、必ず伝えます。ヘルパーさん自身も得意なことに気付いていなかったり、褒められることで自信につながったりするからです。

そして時には、ヘルパーさんの言うことを流すことも大事! ごちゃごちゃになったストック食品の棚を開いたヘルパーさんが「物が取りづらいです。賞味期限の物もあるよ」と言われても、私の気が向かない時は「そっかー。今度にするね」と流すのです(笑)。ヘルパーさんに合わせる時もあるけれど、自分の気持ちを、生活を守ることが一番大切です。

私にとっては家族同然のヘルパーさんですが、ヘルパーさん同士が会うことはなかなかありません。年に2回ヘルパー全員を呼び、パーティーもしています。みんなでおいしいものを食べながら、おしゃべりをすることで、顔の見える関係ができるのです。そして「子どもの卒業式で休むなら、代わりに来るよ」とヘルパーさん同士が、快く補い合ってくれるのです。まるでチームやサークル活動のようです。

人とつながれるヘルパーの仕事はおすすめ! 重度訪問介護という、私が使う制度の資格は15歳以上なら誰でもOK! 20時間(約3日)で取れます。ユニークで、クリエイティブな障害者の生活、奥が深い楽しみと発見がありますよ。



(次回は4月2日掲載)


伊是名夏子

いぜな・なつこ 1982年那覇市生まれ。コラムニスト。骨形成不全症のため車いすで生活しながら2人の子育てに奮闘中。現在は神奈川県在住。

 

(2019年3月19日 琉球新報掲載)

 


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