沖縄で笑いのテクを磨いた大阪出身コンビ<ぼんじょるの>の東京進出に迫る◇沖縄芸人ナビFILE.8

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お笑いトリオ「初恋クロマニヨン」の松田正(まつだ しょう)さんが、仲間でありライバルでもある芸人さんにインタビューするシリーズ「沖縄芸人ナビ」。 8回目の今回は、よしもとの後輩コンビ「ぼんじょるの」を直撃しました。大阪出身でよしもとの養成所・NSC大阪校を卒業後、沖縄で芸人活動を始めた2人は今年1月に東京へ。よしもと沖縄花月の舞台で積んだ経験をベースに、全国区での活躍を目指し前進しています。沖縄に来た訳は!? どんな気持ちで東京へ!? など、2人の思いが伝わってきます。



芸歴3年目! 沖縄で芸人活動をスタートし、東京へと旅立った若手コンビ「ぼんじょるの」の大谷仁志さん(中央)&おりたさん(左)と、ナビ芸人の松田正さん(右/よしもとエンタテインメント沖縄所属)(http://yoshimoto-entertainment-okinawa.jp

大阪出身の「ぼんじょるの」。大谷とおりたは、どうして沖縄へ!? そしてどんな明日を夢見て、東京に向かったのでしょうか。そんなことを、ナビゲーターの僕・松田正が問いかけてみました。



笑いの本場からなぜ沖縄へ!?



松田ナビ:まずは、大阪から沖縄に来た理由から、教えてください。

おりた:2016年によしもとの養成所・NSC大阪校38期を卒業して、スグに沖縄に来ました。大阪での活動経験はありません。よしもと沖縄ができて5年目のころで、芸人の数はまだ少ないはずだと思いました。毎日公演のある「よしもと沖縄花月」があって、頑張ったら劇場の舞台に立てるんじゃないかと思い、沖縄行きを決めました。

松田ナビ:大阪は芸人さんの数が多いですからね。実際の沖縄はどうでしたか?

大谷:約2年半いましたが、正直ナメてたんですよ。よしもと沖縄ではランキング1位になれるやろ、みたいな感覚。でも最高2位でした。みんな場数を踏んでる分達者で、大阪でも通用するレベルでやってるわ~って思い、苦戦ばかりでしたね。初恋クロマニヨンさんとありんくりんさんは、来る前から知ってました。NGK(なんばグランド花月)出演の時、養成所にいた僕らがビラ配りをしていましたから。なので沖縄行ったら、この2組を倒したいと思っていたんです(笑)。

松田ナビ:土地が変わると、思い通りにいかないことあるよな。そんな沖縄でチャレンジしていたことは?

大谷:「自分らにはどういうネタが合うんやろう」というのをライブで見つけようと思っていました。普通っぽいのはウケず、攻めていこうってどんどん探っていって・・・設定を崩すのは意外とウケるんやな~って実感しました。

松田ナビ:そうね。最初から2人のライブ見てたけど、お客さん寄りの時は笑いがそれほどなく、大谷がやりたいことをやり出して、受けるようになったイメージ。大谷はアルバイトをしながらでもネタを考えているって聞きましたが。

大谷:居酒屋、バー、コンビニ。いろんな所でバイトしました。暇な時間は作らんとこうと思って。メモ用紙片手に、芸人ではないバイト仲間に「このネタ面白い?」とか意見を聞いていたんです。

おりた:5個くらいバイト掛け持ちしましたね。大谷がネタを書いている側で僕は、一生懸命バイト。人一倍コミュニケーションは取るように心掛けていましたよ。





松田ナビ:ストイックなコンビだな〜と思って見ていたけど、不思議なもので結果がついてくる。夏の賞レース「お笑いバイアスロン」で決勝に行った時は、報われた気持ちでしたか?

大谷:シンプルにうれしかったです。沖縄で初めて評価されたと思えましたね。ただただ、やっててよかったという気持ちでした。

松田ナビ:沖縄の賞レースは100組近くエントリーするので、10本内の指に入るのはすごいこと。めちゃくちゃ若い2人は、今何歳?

大谷:22歳です。

おりた:沖縄来た時は19歳でした。

松田ナビ:若い! がんばったな! 19歳で右も左も分からない土地に来ての芸人活動。「お笑いバイアスロン」に出て、沖縄の賞レースはどうでしたか?

大谷:審査員が有名な構成作家さんたちで、ネタについてあんなに真剣に言われたのは初めてでした。漫才は「茶道のネタ」で、自信がありましたがあまりウケず年相応の設定がいいって言われました。年相応なことしたコントは、高評価いただきました。

松田ナビ:教室で生徒同士がひそひそ話をするコントね。僕も10年以上前に「酔っ払いを送り届ける」ネタをやり、「君らの年でやることか!?」と作家さんに言われました。今もそのネタはやっていて前よりウケる感じになったのでよく分かる! 見た目や年齢に合ったネタをやれと言われても・・・と考えてしまうけど、客観的にはそれがいいんだろうな。でも若々しいネタよりおじさんが面白かったりするし(笑)、若さが武器になったり足かせになったりお笑いって難しいですね。



とんがりとかわいさで絶妙なバランス

松田ナビ:最近の傾向として「2人でネタ作ってます」ってコンビが多い。大谷のように1人で完全にネタを作るのは、今は珍しいかも。フラストレーションがたまったりしなかった?

大谷:僕は書くのが好きなので、大丈夫なんです。

おりた:びっくりしたのはNSC在学中に、1日1本ネタを書くって決めていたこと。気が狂ったのかと思いました。

松田ナビ:僕は書くこと、めっちゃ嫌い(笑)。そのペースは信じられない!

おりた:僕も巻き込まれ(笑)、大谷がやろうと言い出して続けましたがだんだん書けなくなり、2カ月頑張って「頼むからもう止めてくれ」とお願いしました(笑)。

松田ナビ:大谷はとにかくストイックなイメージ。

大谷:負けたくないって思うんです。テレビを見ていたらすごい数の芸人が出てきて、嫌なんですよね。

松田ナビ:ロックだな! 同期の3組、ぐりんのーと・マルキヨビルでライブをしていましたが、ストイックな大谷から見て、思うところはありましたか。遊びやがってとか(笑)。

大谷:僕は事前にネタを作っておくタイプなので、前日とかに書いているのを見て、ちょっと嫌な気持ちになりました。準備してたらネタを書いたり足したりできるのに、って思ったり。

松田ナビ:確かに余裕があるのがいい。でもこれだけストイックだったら、怖がられなかった!?

おりた:怖がっていた人いたと思いますが、大谷を見て「負けられへん」って思った人もいたみたい。「やる気になった」って言う同期がいましたし、怖くて話しづらいっていう人もいました(笑)。

大谷:「笑ってない」とか、いつも言われています。

松田ナビ:その分、おりたがかわいらしい。歩いているのを見て、中学生感すごいな~って思うことがよくありました。ストイックでとがっている風の大谷と、かわいらしいおりた。「ぼんじょるの」はバランスがいいコンビですね。ネタを見てもそう思う。学生時代から一緒!?

おりた:中学生の時から。野球部で一緒でした。

松田ナビ:学校行事で漫才とかやってた?

おりた:やってました。別々でも出てましたよ。

大谷:2人じゃなくて数人でにぎやかなのをやってました。違う高校に進学したんですけどね。

松田ナビ:高校が別でコンビを組んだのはなぜ!?

大谷:おりたが行った高校にお笑い芸人目指している友達がいて、ライブをしようってなったんです。ツッコミ気質があったおりたとコンビ組んで漫才やりたいと思い、SNSで拡散して友達集めて、公園ライブをやりました。

松田ナビ:それが初ライブ! 面白い! おりた・大谷という「ぼんじょるの」で登場!?

大谷:そうです。そこから楽しくて。友達なので、何言うてもウケるんですよ。

おりた:すこぶるウケました、公園が揺れる揺れる(笑)。



上京前に大ゲンカ!?



松田ナビ:2人は舞台で関西弁。引け目を感じることはありましたか?

大谷:全然ありませんでした。最初の頃は関西弁で何しゃべってもウケたんですよ。でもスベるようになり、どうしたらいいのか分からなくて一年目はサボりました。20歳になりお酒も飲んで遊んで。お笑いほったらかしの時もあったので、今めっちゃ後悔してます。

松田ナビ:それじゃいかん! ってなったきっかけは?

大谷:東京や大阪の同期で、結果出して売れてるやつがいるんです。「俺何してんやろ!?」って思い、「単独ライブをやりたいです」と希望して真剣にやりました。

おりた:大谷が遊んでる時、僕もず~っと遊んでました(笑)。「しっかりせい、ネタ書けよ!」なんて言葉は僕から出ない。遊んでるなら俺も遊び、大谷がしっかりやるって言ったら、じゃ~俺もしっかりやろうかって感じです(笑)。

松田ナビ:おりたのツッコミ気質は昔から!? お笑いを意識していましたか?

おりた:ずっと今みたいな感じで、変わってないかも。

大谷:地元のメンバーと遊んでいると、全てにツッコムんですよ。

おりた:そうですね(笑)。何かやってた気はせず、みんながはしゃぐのを見て面白いな~って感じてました。お笑い始めた時はボケ役をやりたくて、公園初ライブでは2人ともボケやりたいってなり、じゃんけんして負けたんですよ。そっからずっとツッコミ役!



松田ナビ:分かれ道のいいじゃんけんだったな! そんな楽しそうな2人が、最近ケンカしたと聞きましたが・・・。

大谷:お正月の賞レースのこと。東京行きは近づくし、コンビとしての沖縄の賞レースは夏で終わりと話していました。そしたらおりたは、他の人とトリオで出ようとしたんですよ! エントリー用紙を見つけて話が聞こえてきてイライラし、最後の一言にめっちゃ腹立った。お笑いを大切にしている僕はブチって切れたんです! 「しっかりしたネタやったらいいんでしょ~」みたいな事、軽々しく口にしたんですよ。

おりた:楽屋のノリで、賞金いただけたらラッキーっていう軽い考えだったんです。でも即席のトリオが出場したら、「ふざけて出てるんちゃうか〜」って審査員に怒られないかと心配になり・・・「ネタがしっかりしてたらいけるんちゃう!?」という意味での発言だったんですよ。

松田ナビ:大谷はナメた態度で大会に出るなって言った(笑)!?

大谷:はい。すぐに呼び出し、「ネタ作ってる方やったらまだしも~」って言いましたね。鼻につきました。

松田ナビ:ネタを一生懸命書いている大谷は許せなかったんだな。遊び感覚で賞レースに出るなんて。

おりた:ナメてる部分はあったかな~と反省しました。でもそれほど熱心じゃなかったのに、めっちゃ怒られたな~って思い出します。驚きながら謝りました。

松田ナビ:結構な圧力で怒られたんだな(笑)。つかみ合いくらいの感じ!?

大谷:はい。他の2人も止めとこか〜って言ってました。

松田ナビ:大谷はお笑い正義だ! 影響を受けた芸人さんはいますか?

おりた:まとめ上手でMCもできる、マルキヨビルの康介。場を崩さないように気を付けていて、視野が広くてツッコミ上手。

大谷:僕はアダージョの古賀一樹さん。すごいセンスの持ち主で、設定が抜群に面白くて悔しいな~って思うことがあります。

松田ナビ:パフォーマンスで焼きもちを焼く芸人は?

大谷:ありんくりんの、ひがりゅうたさん。どこからでも笑いをとるコメディアン。存在自体が「よしもと新喜劇」(笑)。あれは勝てんな~って思いました。あとはネタ合わせに時間をかける、松田さん。賞レース前は毎日ですよね。先輩がこんなにやってるのに、差開いてどうすんねんって思います。

おりた:猫ノカケラの、ガツン!と岸本さん。自分の空気を作るのが上手くて、みんなを親戚気分にさせる人懐っこさもありすごいです。

松田ナビ:コンビだけど、違う所を見ていて面白いですね。このタイミングで東京に行く経緯は?

大谷:もっと早く行く計画もしてましたし、沖縄の賞レースで決勝に行けたことで、ネタの方向性がいくつか見えてきました。そこを生かしたら東京でもウケを取れるんちゃうかなって思え、勝負する気持ちで行きます。

おりた:大谷が行くって言ったんで行く! 大谷の思いには基本乗っかります。「沖縄行こう」って言われた時も、よっしゃ~行こうって付いてきましたから(笑)。

松田ナビ:沖縄の感想と今後の展望を教えてください。

大谷:あったかい沖縄は冬がラクで、楽しい2年半でした。これからの目標は賞レースで優勝。「キングオブコント」か「M-1グランプリ」どちらでもいいですが、マジで両方取りたい。漫才でもコントでも結果を残したいんです。

おりた:沖縄は居心地が良すぎました。人が優しい! 今後も僕は、楽しく生きていければいい(笑)。苦しいことを乗り越えつつ、最終的には楽しかったなっていう生活にしたいです。

松田ナビ:また沖縄に来てください。そして東京で頑張ってくださいね!




【対談を終えて・・・】

☆大谷 仁志 さん☆
松田さんは芸人活動が長く結果を残している先輩。気持ちが入った質問で、とても答えやすかったです。周りには厳しくしませんが自分には厳しい松田さん。リスペクトしている一人です。

おりた さん☆
めちゃくちゃ話しやすかったです。よしもと沖縄の先導を切る松田さんは、大きな影響力を持つ先輩。相方の大谷がストイックだと話しましたが、松田さんもなかなかストイックな方ですよ。

☆松田ナビ☆
真摯にお笑いに向き合う、バランスの良いコンビだと思っています。ブレずに行けば結果を出すでしょうね。ストイックな大谷に、おりたがついて行けばいい(笑)。お互いいい相方を見つけ、同じお笑いをやってる者として好感が持てる2人です。




【プロフィール】


★大谷 仁志(おおたに ひとし)/ぼんじょるの

生年月日:1996年8月19日
身長/体重:176cm /60kg
出身地:大阪府
趣味:中華鍋でチャーハンを2分以内においしく作れる
特技:野球、レタリング・トレース検定3級(建築関係の免許)
Twitter:@yonengo194

★おりた/ぼんじょるの

生年月日:1997年3月9日
身長/体重:165cm /55kg
出身地:大阪府
趣味:映画鑑賞、絵を描く事(動物なら何でも)
特技:嗅覚に自信がある
Twitter:@kentiman_wwe



★松田 正(まつだ しょう)/初恋クロマニヨン

生年月日:1984年8月22日
身長/体重:178cm /70kg
出身地:沖縄県読谷村 
趣味:ソフトボール/漫画
特技:野球
Twitter:@hatsukoimatsuda

 



 


【インフォメーション】


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チケット:前売1000円/当日1200円
内容:沖縄芸人が全組出演!お客様の投票によってランキングが決定します!



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那覇市前島3‐25-5 とまりんアネックスビル2階  電話:098-943-6244
公式サイト==>  http://www.yoshimoto.co.jp/okinawakagetsu




執筆:饒波貴子(フリーライター)

饒波貴子(のは・たかこ)
那覇市出身・在住のフリーライター。学校卒業後OL生活を続けていたが2005年、子どものころから親しんでいた中華芸能関連の記事執筆の依頼を機に、ライターに転身。週刊レキオ編集室勤務などを経て、現在はエンタメ専門ライターを目指し修行中。ライブで見るお笑い・演劇・音楽の楽しさを、多くの人に紹介したい。




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