SNSのコミュニケーションで、誤解が生じたならすぐに訂正を! モバプリの知っ得![97]


この記事を書いた人 稲嶺 盛裕

スマートフォンを使うと、友人にLINEでメッセージを送ったり、SNSに自分の意見などを投稿することができます。便利である反面、文字だけのコミュニケーションはとても難しく、時に「誤解」が生じることがあります。

出発点では悪意のない誤解だったものが、拡散される中で情報に尾ひれがついて誰かを傷つける誤情報・デマに変わることもあります。

情報の発信・受信両方での注意が必要です。

文字のコミュニケーションは難しい

LINEなどのメッセージアプリ、あるいはTwitterやFacebookなどのSNSは「文字」でのやりとりが基本となります。

文字でのコミュニケーションは、直接会って話す時と違い、表情や声のトーン、身振り手振りなどが使えません。そのため、感情や気持ちがうまく伝わらないこともあります。

例えば、「バカか」という言葉。

笑いながら、誰かのふざけた行動にツッコミを入れる形で「バカか」と使うこともあれば、誰かの行動に怒り、怒鳴るように「バカか」と使うこともあるでしょう。

同じ言葉でも感情としては両極端で、対応も大きく変わってきます。

直接会った状態であれば「バカか」という言葉がふざけているのか、怒っているのかも分かりやすいのですが、文字だけのコミュニケーションだと判断がするのが難しくなります。

またTwitterは、投稿の文字数上限が「140文字」と決まっています。文字数に制限があるため、言葉や説明を省いて投稿しがち。こうした事でうまく意味が伝わらず、誤解が生まれることもあります。
さらにリツイートなどで投稿が拡散されると、親しい人だけでなく、知らない遠くの人まで届くことになります。親しい人であれば説明を省略しても「文脈」で伝わり、人柄や信頼関係によって許されることも、知らない遠くの人が受け取ると投稿のニュアンスがうまく伝わらず、誤解されたり、場合によっては非難が飛んでくることもあります。

つまり、まとめるとこうなります。

1.文字だけのコミュニケーションは難しい
2.字数上限で言葉を削ることにより、うまく伝わらない
3.関係性がない人であるがゆえ、伝わらないことも

私たちが気軽に行なっているSNSのコミュニケーションですが、この3つの理由により、誤解が生じやすく、場合によってはトラブルに発展することもあります。

写真やビデオにも注意

こうした誤解が生じやすいのは、何も文字上のコミュニケーションだけではありません。写真の投稿でも誤解が生じることはあります。

例えば数日前の飲み会の写真にも関わらず「今日の」宴会だと勘違いされ、「あいつ仕事を病気で休んでいたはずなのに、飲み会には行っているんだな」と人間関係のトラブルに発生することも考えられます。

また、写真投稿SNSのInstagramでは投稿から24時間で自動削除されるストーリズという機能があります。1日経てば自動で消えるため、多くの人が深く考えずにその場の動画をバンバン撮影してアップしますが、細かい説明を添えないことにより、動画の内容が誤解・勘違いされることもあるでしょう。

例えば、動画に映った二人が付き合っていると勘違いされ、それぞれの恋人に怒られる…など。

気をつけるべきは文字だけでなく、写真・動画も一緒です。

イラスト・小谷茶(こたにてぃー)

5W1Hを添え、躊躇なく訂正を

自分のSNS投稿が勘違いされないために、2つの心がけをお勧めします。

1つは、投稿に5W1Hを添えることです。
5W1Hとは「いつ(When)、どこで(Where)、だれが(Who)、なにを(What)、なぜ(Why)、どのように(How)」の頭文字で、文章・会話の際に相手に情報をしっかり伝えるためのポイントです。

「必ず全て入れる」ということではないのですが、5W1Hを意識して投稿に入れるだけで、事実関係がだいぶ整理されて見やすい文章になります。

2つ目の心がけは、誤解が生じたのであれば躊躇なく訂正を入れることです。
5W1Hを意識しても、どうしても誤解は生じてしまいます。

「自分の投稿、勘違いされているな」と感じたのであれば、早い段階で訂正し、補足説明を入れるなどをしましょう。

「投稿は問題ないのに、なぜ自分の方が訂正をするんだ?」と思う人もいるかもしれません。「間違えてない、悪くないのに、なぜ?」と。

しかし、訂正は謝ることでも、非を認めることでもありません。
誤解が広がり、自分の手に追えなくなる前に、早めに訂正を入れて、正しい情報を伝えましょう。

情報過多社会だから

ネット・SNSの世界はとにかく大量の情報が流れてきます。
それら全てを瞬時に、正確に把握できる人はいません。

大量の情報を処理するために、私たちは過去の体験や記憶と照らし合わせながら精査します。その精査の段階で、時には「先入観」、悪く言えば「偏見」などが入り混じります。こうしたシステムのため、どうしても誤解は発生するでしょう。

そうした誤解をなるべく減らすためにも、伝えることの難しさを意識しつつ、自分の情報発信に注意を払いながらSNSを使って行きましょう。

 琉球新報が毎週日曜日に発行している小中学生新聞「りゅうPON!」6月16日付けでも同じテーマを子ども向けに書いています。

 親子でりゅうPON!と琉球新報style、2つ合わせて、ネット・スマホとの付き合い方を考えるきっかけになればうれしいです。

【プロフィル】

 モバイルプリンス / 島袋コウ 沖縄を中心に、ライター・講師・ラジオパーソナリティーとして活動中。特定メーカーにとらわれることなく、スマートフォンやデジタルガジェットを愛用する。親しみやすいキャラクターと分かりやすい説明で、幅広い世代へと情報を伝える。

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