子どもは助け合いの天才 100cmの視界から―あまはいくまはい―(46)

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新学期が始まりました。

わが子が通う幼稚園で私が気に入っているのは、先生がいつも楽しそうなところと、私が何か質問をした時、どの先生も「何かあったらいつでも聞いてくださいね」と必ず最後に言ってくれることです。

質問をしたり相談をする時、不安なことが多いのですが、最後にその一言をつけてくれることで、包み込まれたような気持ちになります。子どもたちもそんな安心感の中で、のびのび過ごしていると思うと、ありがたい限りです。

小学校の英語指導員をしたり、特別支援教育に携わったり、今は保護者として先生に関わる私の経験で、この時期に大切なことを二つ、お伝えします。


同じ幼稚園に通い始めて楽しそうなわが子二人

一つめは「褒めること」。担任の先生から「ちょっとお話があります」と呼び出される時、たいていは子どもが問題を抱えている時です。先生からの電話に「何かあったかな?」とドキドキする親も多いでしょう。きっとそれは子どもも同じ。でも、いいことを伝えるためだけに、先生が時間を取ってくれると、どんなにうれしいでしょう。

ちょっとした会話の中でも、褒めてもらうことで信頼関係ができ、親も安心して先生と話せるようになります。そんな積み重ねがあると、何か問題が起こった時でも対応がしやすくなります。褒めることは、子どもだけでなく、大人になってからも、親にも、先生にとっても大切なこと。会えない時は書いて渡しましょう。お互いに良い所を伝え合いたいですね。

二つめは、「みんな一緒に」を合言葉にすることです。これは「窓ぎわのトットちゃん」こと、黒柳徹子さんの通ったトモエ学園の小林宗作先生が大事にしていたことです。いろいろな子どもがいるのが当たり前。できたことや成長を褒めることも大事だけど、それにとらわれてしまうと、いつの間にかお互いを比べ、競争してしまうことがあります。だから、「みんな一緒に」を大切にするのです。

また、特別支援学級の子どもたちが親学級で過ごさない時、子どもたちは「分けることが当たり前、良いこと」と感じてしまいます。もし分けないといけない時は、「本当はみんな一緒がいいけれど、今はその方法が分からない。みんな一緒にできるにはどうしたらいいか考えよう」と子どもも巻き込んで考えてほしいのです。子どもたちは助け合う天才、お互いのありのままを受け入れる才能にあふれているからです。

親の私も、子どもや先生、まわりの保護者を褒めて、お互いを受け入れ、一年を過ごしていきたいです。



(次回は30日掲載)


伊是名夏子

いぜな・なつこ 1982年那覇市生まれ。コラムニスト。骨形成不全症のため車いすで生活しながら2人の子育てに奮闘中。現在は神奈川県在住。

 

(2019年4月16日 琉球新報掲載)

 



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