心を込めて向き合う 大人の言葉に敏感な子どもたち【レインボーハート】


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毎月第4土曜日午前9時から正午まで、私は浦添市LGBT電話相談を担当しています(今月は27日)。番号は070(5491)3228、相談無料で浦添市内外のどなたでも相談できます。友達や親子関係、学校、制服やトイレ、職場、カミングアウトなどについて、ぜひお気軽に相談いただきたいです。

特に私は学校講演会を多く行っています。学校の先生方からは児童生徒の対応方法、保護者の方からはお子さんとの関係について、また中学生くらいになれば自分で電話もかけられると思いますので、子どもたちからもぜひ相談を受けたいと思っています。

学校講演会でも終了後、保健室や教育相談室などで子どもたちからの個別相談を受けていますが、特に中学生や高校生は、ほとんどの学校で相談にやって来ます。制服のこと、同性が好きなこと、友達関係、親子関係、進路のことなど内容はさまざまです。「自分はLGBTに当てはまるのか」「同性が好きだけれども将来は変わるのか」といった相談も多くあります。

また、ツイッター(twitter@kiyoclearing)などSNSで相談をしてくる中高生もたくさんいます。答えられるものであれば、どんな相談にも応じたいと思っています。

毎月第4土曜日の浦添市LGBT電話相談、ぜひご利用ください!

よく「LGBTの児童生徒の相談対応で何が大切か」と聞かれますが、最終的には「心を込めること」が一番大切だと感じます。

LGBT当事者はどうしても周りと違うため「変」「気持ち悪い」「普通じゃない」などの否定的なメッセージを受け取り、自分を否定しがちです。そんな当事者に一番足りていないものは、肯定的なメッセージや、否定されないで最後まで話を聞いてもらえることのように思います。

「大丈夫、ちゃんと大人になれるよ」「変じゃないよ」「あなたはあなたらしく」といった言葉で救われる子どもがたくさんいます。「あなたは別に間違ってないし、変えなくていいんだよ」と伝えると、涙を流す生徒もいました。

特に子どもたちは大人が発する言葉の裏にある本心を敏感に感じ取ります。口でどれだけいいことを言っていても、本心ではないと察すると心を開かなかったり相談しなくなったりするように思います。

私は「心を込めること」はテクニックではないと考えています。この子どもは何を求めているのか、何でつまずいているのか、LGBTというカテゴリーで相手を見るのではなく、オンリーワンの存在として、心を込めてその人に真摯(しんし)に向き合う時、相手は安心していろんな話をしてくれるように感じます。

(2019年4月23日 琉球新報掲載)

 竹内清文(たけうち・きよふみ) 岡山県津山市出身、沖縄県在住。レインボーハートプロジェクトokinawa代表。LGBTをテーマに学校講演会を数多く行う。