アニメ界の重鎮が広報誌に漫画 沖縄出身芸人と異色コラボで誕生【島ネタCHOSA班】

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実家に帰った時にめくった「広報よなばる」で、漫画ページを発見! 与那原町の行事が、面白くてかわいい漫画で描かれていました。誰が描いているのか調べてください。

(南城市 昔はよなばる娘さん)



入手しました与那原町発行の「広報よなばる」。漫画を見ると「三線漫談 たま子とおばぁ」というタイトルで、「原作・宮川たま子 漫画・しらとたけし」と書かれています。レキオの表紙に登場した、女優・芸人のたま子さんが原作者!?

というわけで、たま子さんと連絡を取り、漫画担当のしらとさんを紹介してもらいました。「しらと先生は50年にわたって、日本のアニメ界で活躍しています。関わってきた作品を知ったら、びっくりしますよ」とたま子さん。

調べてみると、タイガーマスク、ゲゲゲの鬼太郎、ルパン三世、一休さん、そして宇宙戦艦ヤマトなどなど、誰もが知るアニメ作品を、数多く手掛けている重鎮であることが判明しました。 

しらとさんはなぜ、現在沖縄をテーマに漫画を描いているのでしょうか?

おばぁ像を漫画に



東京都出身・在住のしらとさんは、2年前に仕事でたま子さんと知り合い、初めて沖縄を訪ねたそうです。

「海に沈むきれいな夕日に驚きました」としらとさん。元気なお年寄りを見かけ、また芸人であるたま子さんのネタに登場する「おばぁ」が気になり、「沖縄には独特なおばぁ像がある」と思ったといいます。

たま子さんと意見交換をしながら、たま子さんをモデルにしたキャラクターととおばぁが主役のオリジナル漫画の制作を決定。たま子さんが原作を担当し、しらとさんが絵を描く共同作品を発表するようになりました。現在「広報よなばる」と「おきなわ倶楽部」に連載中で、9月からは浦添市の広報誌にも掲載予定。ゆいレールの延伸やコミュニティーバス導入、また来年市政50周年を迎えるなど話題豊富な浦添市を、漫画でアピールしたいと計画中とのこと。


「三線漫談 たま子とおばぁ」の作者、しらとたけしさん(漫画)と宮川たま子さん(原作)。

しらとさんが手掛けたアニメのキャラクターたちの一部。このほかにも多くの作品を担当しています


創作精神を大切に



しらとさんによる未発表の4コマ漫画「じっちさん」。特別にレキオに寄稿してもらいました

しらとさんがアニメの世界に入ったのは、ある漫画のキャラクターをアニメで見て、不満を持ったのがきっかけ。

アニメの絵は、原作者が直接描くわけではなく、漫画の絵に似せて、アニメーターと呼ばれる職人が描いています。しかし、しらとさんは最初そのことを知らず、「アニメの絵が下手だと原作者に文句を言いに行った」と笑います。

アニメの絵は原作者自身ではなく、アニメーターが描いていると教えられたしらとさんは、「自分ならもっと似せられる」との思いから絵を描き始めたといいます。

その後映画会社の東映に入って経験を積み、テレビでも映画でも演出や作画監督、そして総合監督を務めるようになりました。

たま子さんとの出会いで沖縄との縁ができたしらとさん。「たま子とおばぁ」の単行本化、アニメ化を目標に掲げ、4コマ漫画にも挑戦したい、と意気込みます。そしてアニメ制作に携わりたい若い世代に経験を伝えていきたい、と話します。

しらとさんの熱い思いとアニメ制作の秘話を聞いた調査員は、大感激。同時に指導者として活躍してほしいとも思いました。そしてしらとさんが作画監督を務めた「一休さん」や「宇宙戦艦ヤマト」を見返したくなりました。

たま子さんとしらとさんが描きだす沖縄漫画に、今後も注目です!



(2019年7月4日 週刊レキオ掲載)





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