スター誕生の目撃者に? ! 10代アーティストのステージに大人達がひきつけられる理由


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(前列左から)後蔵根(くしくらね)奏太さん、比嘉心美(ここみ)さん(Ryu&Coco)、ゆういさん(後列左から)比嘉琉貴さん(Ryu&Coco)、Melodyさん、しずく♪さん、HONOKAさん、譜久元菜緒さん=北谷町美浜のライブハウスモッズ 写真・村山 望

はじける若い才能

北谷町美浜にある「ライブハウスモッズ」。1985年の創業以来、ロックからクラシック、民謡まで、オールジャンルのエンターテインメントを発信してきた。同店で2004年から月一ペースで開催されているのが「スーパーティーンズ」だ。十代の若い才能を応援するためにモッズとFMうるまが共催。毎回、可能性を秘めた原石たちが熱いライブを繰り広げている。

10代のミュージシャンがライブを繰り広げる「スーパーティーンズ」の第57回目を迎えるライブがライブハウスモッズで8月12日に開かれた。

FMうるまとのコラボで始まった同企画。きっかけはモッズのオーナー、喜屋武尚(たかし)さんの「10代の子たちにステージの上で発表する場を作りたい」という思いだった。それを聞いたFMうるまの伊波良和会長も賛同。同局のパーソナリティーが司会を務め、収録放送を行いバックアップしている。

ステージで輝く機会を

採算は度外視で約6年続けてきた。場所の提供の他、喜屋武さんが長年音楽業界で培ってきた経験や人脈を生かし、アドバイスを行うなど、若手の成長に力を注いでいる。

この日はRyu&Coco、ゆうい、しずく♪、HONOKA、後蔵根(くしくらね)奏太、譜久元菜緒、Melodyの7組8人が出演。力強いステージで観客を魅了した。

同企画に初出演ながら「全然緊張しなかった」という最年少の1人、11歳のドラマー後蔵根さんは、2歳から音楽活動を始め、すでに64回のステージを経験。迫力のドラム演奏で観客をとりこにし「楽しかった」とはにかむ。

Ryu & Coco
後蔵根奏太

比嘉琉貴さん(13)と心美さん(11)の兄妹ユニットRyu&Cocoはオールディーズを演奏。「人はちょっとしたきっかけで楽しくなることもある。そんなきっかけになるような音楽を届けたい」と幅広い年齢層の観客を楽しませた。今回は後蔵根さんとのセッションも実現させるなど、新たな試みで世界を広げた。

しずく♪
Melody
譜久元菜緒

そんなコラボレーションも同年代の交流の場があってこそ。洋楽のカバーをグルーヴ感たっぷりに歌い上げたMelodyさん(17)は「みんな歌が好きという共通点がある仲間。いつも一緒で仲良しだし、刺激になる」という。しずく♪さん(16)も「他の出演者の歌を聞いて発声の仕方なども習得できた」と成長の機会を与えてもらったことに感謝する。

本格的なライブハウスでの演奏も貴重な経験だ。初参加の譜久元さん(18)は「普段より大きい所で演奏ができて、観客の反応なども勉強になる」と話す。

刺激し合い成長する場

「ここで演奏を経験すれば、どこでやっても物おじしない」と喜屋武さん。その言葉通り、出演者たちは堂々としたステージで本領を発揮した。

「1年前の初出演の時は足が震えて、声がガクガクだった」と笑うゆういさん(16)は、キュートなステージで会場を盛り上げた。「みなさんが手拍子などもしてくれて温かい」と表情を緩ませた。自身が歌で支えられたように誰かを支えられる歌手になりたいというHONOKAさん(17)は「ライブを見に来てくれた友人が自分の歌う姿を見て『頑張ろうと思った』と言ってくれ、励みになっている」と力強く語った。

ゆうい
HONOKA

喜屋武尚さん

個性豊かな出演者たちの迫力のパフォーマンス。応援するつもりで行った筆者も、その才能に度肝を抜かれ、全力で取り組む姿に感動と元気をもらった一人だ。

喜屋武さんは「この中から日本中、世界中に羽ばたいていく子が出てくると思う」と誇らしげに話した。彼らの今後が楽しみだ。

(坂本永通子)

LIVE HOUSE MOD'S

北谷町美浜9番地1 デポアイランドビルE館 (マップはこちら
☎︎ 098-936-5708

ライブスケジュール:http://livehousemods.com/c54714.html
※次回の「スーパーティーンズ」は9月15日(日)17:00開催予定。ライブチャージ1000円
(別途ドリンクオーダー)

(2019年8月29日付 週刊レキオ掲載)