「性の多様性」伝えるには?教員ら奮闘、授業に工夫

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ワークショップを通じ、性の多様性を伝える授業案を考える教員ら=20日、浦添市のハーモニーセンター

 LGBT(性的少数者)や性の多様性について子どもたちに伝えようと、県内の教員らが奮闘している。教育課程の基準となる学習指導要領にLGBTに関する規定が無い中、絵本や動画などを活用し、教材を自ら用意。共通するのは「みんな違ってみんないい」との思いだ。

 「恋愛とは○○である。自由に格言を作ってください」。県立久米島高校保健体育の教諭、本村優さん(34)が投げ掛ける。

 8月20日、浦添市で開かれた「LGBT・性の多様性」に関するワークショップでの模擬授業。さまざまな意見が出る中、本村さんが辞典の「恋愛」の項を紹介する。三つの辞典のうち「広辞苑」(第7版)だけ「男女が互いに相手をこいしたうこと」と、性別を規定。参加した教員らから驚きの声が上がった。

 本村さんは5年前から、LGBTをテーマにした保健の授業を続けている。映画やドラマの一部映像も活用し、性的少数者の歴史や諸外国の状況などを紹介。「講演会を開いて終わり」の高校が多い中、授業自体が珍しい。きっかけは、かつての教え子からのカミングアウトだった。

 ゲイの彼は学校で「気持ち悪い」といじめられ、父親からも「俺の子どもじゃない」と言われるなど、つらい経験をしていた。その彼が「みんなに知ってほしい」と体験記を書いてくれた。本村さんはそれを「僕の宝物」と言い、授業の最後に必ず読み上げる。「外国人や障がい者も少数者。LGBTの授業を通して、全ての人に優しい人に育ってほしい」
 
 那覇市立石嶺小学校3年4組担任の又吉陽子さん(49)も道徳と特別活動の授業で、本年度初めて性別に関する授業を行った。突然、ピンク色になったペンギンの男の子の絵本を読み聞かせると、子どもたちからは「好きな色は人それぞれ。勝手に決めてはいけない」などの意見が出た。

 又吉さんは「子どもたちが驚かないかと不安もあったが、抵抗なく受け止めてくれた。発達段階に応じて内容を変えながら、低学年から毎年続けていくことが大切だと思う。授業が『人と違って大丈夫だよ』というメッセージになれば」と期待している。

 ワークショップには、昨年より10人余り多い約35人が参加。小、中、高校別にグループに分かれ、授業案を練り上げた。主催したレインボーハートプロジェクトokinawaの竹内清文代表は「先生方の熱と関心の広がりを感じる。『どう教えたらいいのか』と手探りの先生が多い中、情報共有が進み、全ての学校で授業が行われるようになってほしい」と話している。(真崎裕史)

◆性的少数者(LGBT)やすべての人が生きやすい社会を目指すイベント「ピンクドット沖縄2019」9月1日(日)午前11時~午後5時、那覇市泉崎の琉球新報社エントランス広場で開かれる。
7回目の今年は台湾で同性婚を実現させた活動家の呂欣潔(ジェニファー・ルー)さんが参加する特別トークセッションのほか、音楽ライブが行われる。イベントを前に関連記事を順次公開していきます。



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