手をつなぎデートするカップルがうらやましい…LGBT当事者の高校生が「これが私。ゲイでよかった」と言えるまで

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 沖縄県内でLGBTや性の多様性について伝える授業をしている本村優教諭は授業の最後に必ずある「体験記」を読み上げる。ゲイであることをカミングアウトした教え子が書いたものだ。その体験記を全文、そのままで紹介します。LGBT当事者が高校時代に記したものです。



私が同性愛に芽生えたのは小学6年生の時、仲良しの女友達から「あの人かっこいいんじゃん」とか男子の話をよく聞くうちに、女子が好きだった自分が急に男子をかっこいいとか可愛いとか思うようになって、恋愛感情を持つようになっていた。

それから女子とよく絡むようになり、男子からは「毎日なんで女といるの?」とか「女と男どっちの見方なの?」とか言われ、その時は怖くて泣いてしまった。

中学校に入学し、新しい出会いがたくさんあった。
他の小学校からの生徒もいて、最初はやっぱり色々聞かれた。
みんなに「君はゲイなの?ホモなの?」と聞かれ、私はその時、「違うよ、ただ男子をカッコイイと思うだけだよ。」と返していた。



中1の夏が来て、プールの時期が来た。
最初のプールの日、男子の個室でみんなが水着に着替えていたが、私は緊張してしまい、普通に着替えをしている人を見ると、とても変な感じがした。
プールには絶対入れないと思い、トイレに隠れていた。すると先生が来て、怒られるかと思ったけど、優しく「大丈夫だよ!一緒に頑張って入ろう。」と言われ、なんとか入ることができた。

段々と学校生活にも慣れるようになって、同じクラスの男子を好きになっていた。
最初は誰にも言わなかったが、仲の良い友達がなんとなく気づいたらしくて、「あの○○好きなの??」と聞かれた。私は正直に「うん。」と言った。友達は全然驚いてはいなかった。きっと私のキャラとかでわかっていたんだと思う。

それから何日かたつと、友達に秘密と言っていたのが、みんなに広まっていた。
男子からは、「なんで女を好きになれないの?」と言われた。自分でもよくわからない。気づいたらこうなっていた。私はゲイなのか、同性愛なんてキモイ、もう恋愛できない、これは病気なのか、とかいろいろ考えた。自分が変だとしか思えなかった。



私も周りもまだ中1。相談できる人もいなくて、誰も気持ちを分かってくれない。
少しずつ、恋愛じゃなく、他の事を考えるようにした。将来のことや、好きな歌手のこと。音楽を聴いて人生を楽しもうと思い、恋愛を忘れることにした。

ある日、友達と家に帰っていたら、同い年くらいの知らない人に気持ち悪いとか、あの人ホモじゃん?と言われた。私はどう反応すればいいかわからなくて、聞いていないふりをした。ちょっと傷ついたが、自分では認めてないからいいやと思い、あまり気にしてはいなかった。

学校では、たまにいじめ的なことがあった。例えば、自分の前で「ホモは嫌だ」とか、「気持ち悪い。男を好きにならないで。なぜ女を好きになれないの。」と、男子に囲まれ聞かれたくないことをいっぱい質問された。なぜ私にこんなことをするのか。なんかむかついた。周りには同性愛者がいなくて、先生に相談をした。とてもすっきりとした気持ちになった。月に1回はカウンセリングを受けるようにしたが、やっぱり恋愛面での辛さはきつかった。

またある日、同性愛の本を借りて自分の部屋の机に置き忘れたことがあった。家に帰るとお父さんに、「この本はなに。お前同性愛なのか。気持ち悪い。」と言われた。「男が好きとか気持ち悪い。軍隊にいったほうがいいよ。死ねば。俺の子どもなんかじゃない。」と強く言われた。お母さんはその時なにも言わなかった。

次の日になると、お父さんは何も言わなくなって普通に優しかった。でもなんか変な感じがして、恥ずかしくてしばらく何も話すことができなかった。

3年生になって、友達に「ゲイって認めたら?」って言われた。
私なりに考えて、3年の夏ぐらいに認めた。
それからは辛いこともあったけど、自分を認めて、自分が何なのかを知って自分自身のことがわかって、なんかすっきりした気分になった。
彼氏がほしいと思い、いろんな人に告白をしたが振られた。
やはり私は無理なのかなと思って、とても悲しかった。

カミングアウトしてからは、みんなの考えや私に対する接し方も変わり、中1、中2の時と比べると、気持ちがとても楽になった。
卒業式の日がきて、私はお母さんに手紙を書いた。その手紙には、私はゲイっていうことを書いた。お母さんは読んだかわからないけど。



私の小6から中学校生活はこんな感じで終わった。
辛いこともあったが、最後はみんな気持ちをわかってくれたし、この学校にきてよかったと思った。

今まで彼氏はできたことないが、片思いは何回もある。
きっと、みんなにはわからないと思うが、私は好きな人ができても相手が同性愛者じゃない限り付き合えない。手をつなぎ、デートするカップルがとてもうらやましい。
でも前と比べたら今のほうが楽。

私は男が好き。
これが私。
ゲイでよかった。
今はとても特別な気分で気持ちがいい。
これからの人生がどうなるのか楽しみだし、これからの日本にも期待している。
日本も同性結婚が認められたらいいな。

◆性的少数者(LGBT)やすべての人が生きやすい社会を目指すイベント「ピンクドット沖縄2019」9月1日(日)午前11時~午後5時、那覇市泉崎の琉球新報社エントランス広場で開かれる。
7回目の今年は台湾で同性婚を実現させた活動家の呂欣潔(ジェニファー・ルー)さんが参加する特別トークセッションのほか、音楽ライブが行われる。イベントを前に関連記事を順次公開していきます。



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