それぞれの多様性認め 虹色の世界へ ピンクドット沖縄に各界からメッセージ

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百花繚乱のまち 目標に 松本 哲治さん 浦添市長


2017年1月、県内の自治体としては2番目となる「レインボー都市うらそえ宣言」を行った。松本哲治浦添市長の頭にあったのは「自らの性に向き合う中で、困ったり悩んだりしている子どもたち」だった。「『君は君のままでいいよ』と、市として表明することが大切だと思った」と宣言の背景を説明する。

同市はLGBTなど性的マイノリティーに関する教員向け研修や電話相談を続けている。市役所などに、LGBTや障がい者らに配慮した「だれでもトイレ」の案内を設置した。

目下、力を注ぐのが「性の多様性を尊重する社会を実現するための条例」制定だ。同性パートナーシップ証明や性別による差別の禁止を盛り込む方針で、市民や市内の事業所も対象となる。来年4月の施行を目指している。


条例には「人口が減る」「市が同性婚を推奨している」など、誤解に基づく反対意見もあるという。松本市長は「今は時代の過渡期」と捉え「丁寧に説明すれば分かってもらえる。子どもから大人まで性の自己決定権があり、尊重されるべきだ」と言う。

「百花繚乱(ひゃっかりょうらん)のまちづくり」を掲げる。「それぞれの花が咲き乱れて美しい。そんな浦添にしたい」。LGBTであろうと、そうでなかろうと、一人一人が大切な存在だ。



認め合い 寛容な社会に 琉球放送 アナウンサー室室長 狩俣 倫太郎さん



司会者としてピンクドット沖縄に関わる。「当事者とアライ(賛同者、支援者)が思いを共有する場所。当事者にとっては孤独じゃないと感じられる場所」とイベントの意義を語る。

2015年のイベントでは城間幹子那覇市長が性の多様性を尊重する「レインボーなは宣言」をし、16年には「市パートナーシップ登録制度」第1号のカップルが人前結婚式を挙げた。

沖縄はいろんな人を受け入れる土壌があるが、地方ゆえの「閉鎖性」もあると指摘する。「だからこそ、(LGBTを)受け入れるというメッセージを行政が公式に出すことは大きな一歩。歴史が変わる瞬間だった。那覇市民として誇りに思う」

LGBTに関する番組も制作してきた。そこで見えてきたのは、結婚制度の外に置かれているために愛する人の最期をみとることができなかった当事者の姿だった。

「愛する人を失った悲しみを他人と共有できず、沈黙している人たちがいる」。パートナーシップ制度がゴールではなく、「同性婚」が必要だと考える理由だ。

理想とするのは「寛容な社会」。「あらゆる問題に社会が不寛容になっていって首を絞め合っている。互いを認め合う、許し合う世の中になってほしい」。ピンクドットの場からも発信していくつもりだ。

多様性こそ 基本的人権 沖縄弁護士会弁護士 林 千賀子さん



沖縄弁護士会が今年3月20日に発表した性の多様性を尊重する「レインボー宣言」に関わった。「性の多様性こそが社会のありのままの真の姿だ」と強調する。

レインボー宣言では「基本的人権を擁護し社会正義を実現することを使命とする弁護士の団体として、憲法に基づき、性の多様性が全面的に尊重される社会を目指す」と誓った。
「沖縄弁護士会としてきちんと向き合っていく。当事者や他の弁護士会から激励を受けた。宣言で終わったら意味がない」と力を込める。

性の多様性を認めない社会は、性的少数者だけではなく多数者にとっても偏狭な社会だと考えてきた。「みんな違っていいという考えが、生きやすい社会に直結する」という信念に基づき、「性的少数者について意識的に考え、取り組むことが自分自身を自由にしていく」と力説する。

沖縄弁護士会は9月から性的少数者の無料電話法律相談窓口を設置するなど、性的少数者の権利保障に向けて取り組んでいる。相談窓口では人権問題や労働問題、事実婚問題などに対応する。「気軽に相談してほしい」と呼び掛けた。

無料電話法律相談は毎月第1火曜午後5~7時、第3金曜正午~午後2時に受け付ける。(電話)080(7986)3595。

愛と理解持ち歩み寄り Anlyさん 歌手



歌手のAnlyさんからピンクドット沖縄に賛同のメッセージを寄せてもらいました。
   ◇    ◇
「私、彼女に恋してるかも」「わぁ、いつから?」「〇〇君と僕、付き合って2カ月なんだ」「やっぱり? うすうす気づいてたよ」

こんなふうにすべてのカップルが自然に恋バナができる、キラキラと愛があふれる世界になるためには、私を含め、今この文章を読んでくれているあなたが性の多様性について知ること。そして子どもたちに「人を愛するということは素晴らしいことで、人種も国籍も性別も関係ないんだよ」と教えてあげる必要があります。

さて、もしあなたが今好きな人がいて、その人を好きであることが「普通じゃない」と言われ、変な目で見られたらどんな気持ちでしょうか。何事も相手の気持ちになることで見える世界は変わります。今を生きているすべての人が愛し愛される権利があって、それは、絶対に守られるべきことだと思います。

最近台湾ではアジア初となる同性婚が認められました。日本でも同性婚が認められる日がくると信じています。みんなで愛と理解を持って歩み寄り、一歩一歩、一個一個、壁を突破しましょう。LGBTの人々が孤独を感じたりせず、もっと普通に恋愛ができる世の中になるといいなと思います。最後にあなたの恋がかなうといいなと心から願っています。

「いいね」と認める一人に 沖縄市男女共同 参画センター相談員 まぁちゃん



沖縄市男女共同参画センターで相談員を務める。男女のどちらの性別にも当てはまらない「Xジェンダー」を自認し、当事者として相談者の人間関係や就職、自殺などの悩みに向き合ってきた。

助言するだけでなく、相談者から学んだこともあるという。障がいや精神疾患、うつなどを抱えながらセクシュアリティー(性のあり方)にも悩む人たち、いわゆる「ダブル・マイノリティー」の存在だった。

彼、彼女らの抱える難しさは「病気」とセクシュアリティーが密接に結びついていること。一方、病気やLGBTQの支援組織は別々のことが多く、ダブル・マイノリティーのための窓口はほとんどない。「当事者がどこに相談すればいいか分からない状況。一見すると別々の問題をつなげてあげて、支援していきたい」と語る。「まず声に耳を傾け、その人のペースに合わせることが大切だ」と訴えた。

LGBTQの認知は広まったが、すぐに多様性を認める社会になるのは難しいと考えている。

「10人のうち1人が『いいね』と認めてくれるだけで、ありのままの自分でいられる。みんなが誰かの『一人』になればいい。性について知ろうとする勇気を持つことから始めてほしい」。徐々に変化していくことに期待を込めた。

◆性的少数者(LGBT)やすべての人が生きやすい社会を目指すイベント「ピンクドット沖縄2019」9月1日(日)、那覇市泉崎の琉球新報社エントランス広場で開催されました。開催に合わせ、関連記事を公開しています。



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