草がボーボー生える?映える??車を発見!!【島ネタCHOSA班】


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宜野湾市伊佐のパイプライン通り付近で、車のボンネットが草ボーボーになっているのを見かけました。気になるので調べてください。運転中に一瞬見ただけなので、見間違いだったらごめんなさい。

(那覇市 今日もごきげんさん)

車のボンネットが草ボーボー? どういうこと? う~ん、なんだかもやもやしますが、とりあえず現場に行ってみたいと思います!

遊び心

宜野湾市伊佐のパイプライン通り付近にやってきました。依頼主の「一瞬見ただけ」というのが気になりますが、とにかく「草ボーボー」を探す調査員。しばらく車を走らせていると…あっ、ありました! ある店舗の前に止まっている車のボンネットから、確かに草がボーボーと生えています。こちらのお店は花屋のようですね。さっそく中に入って、お話を聞いてみることにしました。

あの草ボーボーの車はいったい何ですか?

「看板がまだないので、その代わりみたいなものです」と話すのは「フラワーショップ バッカス」のオーナー・仲宗根実寿さん。なるほど、看板娘ならぬ看板車ですね! 

同店は昨年10月にオープン。もともとは北谷町北前に店を構えていましたが、そのころから今と同じように看板車をディスプレーしていたそうです。看板車にしているのは、仲宗根さんが昔から好きだったミニクーパー。どうしてもこの車に植物を装飾したかったといいます。

仲宗根実寿さん

「花屋っぽくしたくないと思って…。遊び心です」

とてもユニークなアイデアですね! 聞いたところ、通りすがりの人がスマホで撮影していくこともあるそうです。

この車はどこから調達したのですか?

「最初は安く手に入れるために解体屋を回りましたが見つからなかったので、中古車屋さんで一番安いのを探して購入しました。そのときに『店のディスプレーに使うんでもっと安くできませんか』とお願いして、25万円で売っていたものを15万円に下げてもらったんです」

そうなんですか! しかし、いくら安くなったといっても15万円をかけてディスプレーするとは、よっぽどこだわりがあったのですね。ちなみに車のエンジンは購入時に取ってもらったそうです。

花に魅了され

仲宗根さんは県立芸術大学に通っていたときに、花屋でアルバイトをしていて花に魅了されたそうです。主に配達を担当していて、届け先に行くたびに人が喜ぶ様子を見ては「花ってすごいな。人を笑顔にするんだ」と感動したといいます。

当時、仲宗根さんは高校の美術教師を目指していましたが、勉強も嫌になり、いろいろ迷うこともあったとか。そんなとき花と出合い、花に大きな魅力を感じて大学を中退。8年ほど花屋で経験を積んだ後、2009年に独立しました。

「常に遊び心を持っていたい」という仲宗根さんのフラワーアレンジメントや店内のディスプレーも「要チェック」ですね。

数種類の植物を無造作に装飾した看板車。車のサビ具合いもいい味を出している

ところで気になるボンネットの中ですが、のぞいてみると大小の鉢が隙間なく置いてあり、そこから植物が伸びています。鉢の下に角材やブロックを置いて段差もつけているとのこと。ボンネットの中に植栽されているのはローズマリー、スプリンゲリー、モンステラ、ピレア、多肉植物など。見栄えがよくなるよう考えているらしく、この無造作な感じが心憎いです。

遊び心のある看板車、見に行ってみてはいかが? ただの「草ボーボー」じゃありませんよ~。

フラワーショップ バッカス

宜野湾市伊佐1-7-21 1F (マップはこちら
☎ 098(989)0738
http://bacchus-flower.com/

(2019年9月19日 週刊レキオ掲載)