企業協力広がり離島講演 【レインボーハート】


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9月10日から14日まで、「LGBT・性の多様性」講演会を行うため、久米島に出張しました。

4泊5日で小中高校6校を訪問し、合計11回講演するという忙しいスケジュールでしたが、たくさんの出会いもあり、本当に充実した毎日でした。

久米島での講演会は一昨年度から実施しています。初年度は県立久米島高校と、養護教諭(保健室の先生)の研修会のみでしたが、昨年度は小中学校でも講演し、さらに、日本トランスオーシャン航空さま主催で久米島観光協会の方々にも講演しました。本年度は久米島PTA連合会主催の講演会もさせていただき、たくさんの大人の方々に聞いていただく機会を得ました。「以前わが子が学校で講演を聞きました。保護者も聞くことで家庭でLGBTの話ができるようになりました」とうれしい感想を下さる方もいました。

そして、本年度は琉球エアーコミューターさまが那覇久米島間の往復航空券を、リゾートホテル久米アイランドさまとイーフビーチホテルさまがそれぞれ2泊ずつ宿泊を無料提供くださいました。これまで全国延べ140以上の学校で講演をしましたが、航空券も宿泊も提供いただく講演は初めてでした。講演会を毎年続けてきたことで、少しずつ、そして着実に理解の輪が広がってきているのを感じることができました。

個別に相談をしてくる子どもたちも何人もいました。「島にもLGBTの人がいるの?」と思われるかもしれませんが「親に理解してもらえなくて困っている」「学校生活で困っていることがある」と悩みを持つ子どもはどこにでもいます。地道ではありますが、不安を抱え、周りに相談できない子どもたちのためにも、これからも講演会を続ける必要性を感じました。

久米島の小学生が私の似顔絵を描いてくれました

感想用紙を見ると「ぼくは、おとこもおんなも、すきないろやキャラクターやあそびなど、すきなことをやっていいとわかりました」(小1)、「女らしくや男らしくはかんけいなくて、じぶんらしくとわかりました」(小2)といった素直な感想を書いた子どもたちもたくさんいました。

掲載している写真は、今回訪問したある小学校で、講演後に児童からプレゼントされた絵です。その子は昨年度も講演を聞き、本年度も私が学校にやってくることを知り、とても楽しみにしていたそうです。心を込めて一生懸命描いてくれたことが伝わってきました。しかも上手! 心から感謝の気持ちでいっぱいです。

こうした子どもたちとの出会いが講演を頑張るエネルギーをくれています。

(2019年10月1日 琉球新報掲載)

 竹内清文(たけうち・きよふみ) 岡山県津山市出身、沖縄県在住。レインボーハートプロジェクトokinawa代表。LGBTをテーマに学校講演会を数多く行う。