１冊でも倒れないブックスタンド　絵本の片付けヒントに　岩上　優樹さん　リヒトラブ

　文具メーカー、リヒトラブ（大阪市）が昨年１０月に発売した「１冊でも倒れないブックスタンド」が好調だ。本を数冊並べた状態で、１冊抜き取っても隣に倒れない不思議な構造が話題に。当初は１年で６千台と見込んでいた出荷台数は約４万５千台に達した。「子どもの絵本を片付けている際に『もっときれいに収納できないか』と思ったのがきっかけです」
　プラスチック製で、横幅が約２０センチの卓上サイズだ。横一列に２３個のストッパーが並ぶ。本を抜き取ったところだけストッパーが下がり、スタンドに残った本が倒れない。「１列に並んだストッパーはピアノの鍵盤に似ています。複数台を連結して置けるのですが、軽く斜めに持ち上げると連結が外れるため、簡単に持ち運びできます」
　若者の本離れが指摘される中、社内では売り上げが伸びるかどうかに慎重な意見があり、サイズや色は一つに絞って販売を始めた。色はアイボリーだけだったが、今年９月にブラックとホワイトを追加した。価格は１台１４３０円。
　本や漫画以外にゲームソフトや音楽のＣＤを並べる人もいる。交流サイト（ＳＮＳ）上には「天才」との褒め言葉もあった。「昔から文具が好きで、この仕事に就きました。小さな製品ですが、生活の豊かさにつながるところが魅力です」。埼玉県出身、２８歳。
リヒトラブの「１冊でも倒れないブックスタンド」