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アマゾン 配達員報酬遅延 1カ月以上、7月セールで


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 インターネット通販大手のアマゾンジャパン(東京)が7月に実施したセールに絡み、一部の配達員への報酬支払いが当初予定より1カ月以上遅れていたことが28日、分かった。複数の配達員が「アマゾンは迅速な対応を怠った」と主張。アマゾン側はシステム障害によるもので、支払いは終えたと説明している。
 労働問題に詳しい弁護士からは「配達員は安定した収入が得づらい立場にあり、対価を所定の期日に支払うのは当然だ」との声が出ている。
 アマゾンは「プライムデー」と称するセールを7月11、12日に開催。セール前後の2週間程度、通常報酬とは別の追加報酬を「アマゾンフレックス」と呼ぶ個人事業主の委託先ドライバーに支払い、注文の増加などに対応するケースがあった。
 男性ドライバーによると、アマゾンから8月上旬に予定されていた追加報酬の支払いがなかったため問い合わせたところ、8月下旬に「手続きが遅れている」との回答があり、9月下旬に約6万円が満額支払われた。遅延額が10万円を超えた別のドライバーは「理由説明が全くない」と憤る。
 アマゾンの業務委託を巡っては、指揮命令を受けるなど実態は直接雇用されているような働き方にもかかわらず、個人事業主であることを理由に労働基準法で保護されないとの問題が指摘される。委託ドライバーを支援する菅俊治弁護士は「運行時の安全管理なども本来はアマゾンが責任を負うべきだ」と話す。