護岸で囲わず土砂を投入 辺野古埋め立てで防衛省が検討 軟弱地盤の改良工事で計画変更


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 【東京】名護市辺野古の新基地建設で、大浦湾側の海域を護岸で閉め切る前に先行して埋め立てる工法を防衛省が検討していることが分かった。当初はごく一部の工区を除き、護岸で閉め切った後に埋め立て土砂を入れる予定だったが、軟弱地盤の改良工事に伴い計画を変更した。水深40メートルを超える大浦湾側の一部の海域を、7メートルの深さまで先行的に埋め立てるという。同省は専用の作業船を使うため水質汚濁の拡散が防げ、環境への影響は計画変更前の想定の範囲内に収まるとしている。

 防衛省の担当者が12日、国会内であった市民団体の集会で説明した。大浦湾側での地盤改良後、護岸で埋め立て区域を囲う前に一部を先行して埋め立てる。埋め立て規模について、担当者は「今後精査する方針なので、この場ではお答えできない」と明らかにしなかった。

 防衛省はこれまで、護岸で周囲を仕切った後に埋め立てを行うため環境への影響は抑えられると強調してきた。

 集会で同省の担当者は、専用の作業船を使い、海底付近で埋め立て土砂を投入するため、護岸で閉め切る前でも濁りの拡散を防げると説明した。

 市民団体側からは疑問の声が上がり、沖縄から駆け付けた土木技師の北上田毅氏は「外周護岸が全くない状態で埋め立てをして環境に影響がないことはあり得ない。常識の問題だ」と批判した。