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フトン巻きの「コジロー」始動 駐車場にコインランドリー 小型店、「近さ」「手軽さ」追求 沖縄


フトン巻きの「コジロー」始動 駐車場にコインランドリー 小型店、「近さ」「手軽さ」追求 沖縄 マンションの駐車場スペースに設置できる「フトン巻きのコジロー」=1日、西原町翁長
この記事を書いた人 Avatar photo 當山 幸都

 布団のコインランドリーを展開する「フトン巻きのジロー」(栃木県)が、マンションの駐車場1台分のスペースに設置できるコンテナ式の小型店の事業拡大に乗り出した。その名も「フトン巻きのコジロー」。全国初の店舗を西原町翁長のマンション駐車場に設置した。近さや手軽さを追求して需要の取り込みを図り、沖縄や関東でフランチャイズ(FC)を中心に100店舗の出店を目指す。

 同社は2016年、糸満市に1号店を構えた。店舗網を県外に広げ、20年に本社を沖縄から栃木に移転。23年に東京証券取引所内のプロ投資家向け市場「東京プロマーケット」に上場した。現在店舗は全国に約150店舗、うち45店舗が沖縄にある。

 「ランドリー事業を8年やった結論として、利用者が求めるのは近さだということが分かった。ゴミ置き場くらいの距離でないと、面倒くささを感じてしまう」。森下洋次郎社長は新事業「コジロー」を始めた狙いをそう説明する。布団を丸洗いできるジローの認知度は高まったが、自家用車で店舗まで持ち運ぶ利用者は多い。コインランドリー市場は供給過多の様相で、従来型の店舗拡大は利用率や採算の面で課題がある。

「フトン巻きのジロー」の森下洋次郎社長=1日、西原町翁長

 「コジロー」はマンションの駐車場1台のスペースに収まる移動可能なコンテナ式の店舗で、ランドリー機械2台を設置。初期投資は1100万円程度(税抜き)と、従来のジローの4千万~5千万円に比べ出店コストが低く抑えられる。入居者の利便性が向上し、物件価値も上がるためオーナーにとっても利回り向上の材料になるとアピールする。

 従来型のジローは沖縄本島では名護市の店舗が北限で、離島は石垣市にある。森下社長は、商圏が小さく従来型の出店が難しい地域でも、小型のコジローなら市場を開拓できるとみる。リネン代の高騰に直面するヴィラなど宿泊施設にも設置の需要はあると見込み「小規模離島や、市町村単位でコインランドリーがないエリアに展開していきたい」と見据えた。 

(當山幸都)