泡盛を含む日本の「伝統的酒造り」が、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産へ登録されることがほぼ確実になった。登録を目指す機運が高まり、取り組みが実を結んだ形だ。
県内では、発酵学者で和食の遺産登録にも関わった小泉武夫東京農業大学名誉教授による提唱もあり、14年から黒麹(こうじ)菌を使う固有の製法を持つ泡盛の登録への動きが具体化した。
同年、琉球料理と泡盛の登録に向け、研究者や業界の代表者らによる世界遺産登録推進委員会が発足。シンポジウムの開催や署名活動、県民総決起大会などを展開してきた。
21年1月、当時の菅義偉首相が国会の施政方針演説で「日本酒、焼酎などの文化資源」の登録を目指すと表明。泡盛についての言及はなかったが、同年6月に泡盛についても政府方針に明記され、12月にはこれら「伝統的酒造り」が国の登録無形文化財に選定。22年3月にユネスコ事務局に提案書が提出された。
泡盛の登録申請のめどが付いたことから、本年度新たに県ユネスコ登録推進協議会が発足し、琉球料理や空手、工芸など沖縄の伝統文化の登録を目指す取り組みを進めている。
(當山幸都)