環境省沖縄奄美自然環境事務所は29日、那覇市の天久ちゅらまち公園の池で発見されたザリガニが、特定外来生物のミステリークレイフィッシュだったと発表した。成熟サイズの個体が複数確保されており、国内初の定着の可能性がある。
8月20日にミステリークレイフィッシュを発見した市民から同事務所に通報があり、体長60~80ミリのメス7匹が確認された。
ミステリークレイフィッシュは単為生殖を行うため、メス1匹からでもクローン増殖できるのが特徴。環境適応性が高く、亜熱帯から温帯が好環境となる。一度に400個以上の卵を持ち、陸地を歩いて移動する。
体の側面にマーブル模様がある。アメリカザリガニと比べて成長しても体は強い赤色にならず、背中の溝の間隔は広い。はさみも巨大化せず、体長は最大10センチほどになると言われている。
野外に定着すると根絶は困難と言われている。小動物を捕食したり、水草を切断したりするほかザリガニペストや白斑病などの病気も運ぶため、カエル類など希少種を含む生物群集に大きな影響を与える可能性がある。生きたままの運搬や飼育が禁止されている。
環境省は、ミステリークレイフィッシュを見かけたらすぐに通報するよう呼びかけている。電話は、同事務所098(836)6400、県自然保護課098(866)2243、那覇市環境保全課098(951)3229。
(中村優希)