【そもそも解説】衆議院って何をするところ? 総選挙をしたら何が変わるの? 


【そもそも解説】衆議院って何をするところ? 総選挙をしたら何が変わるの? 
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 石破茂首相(総理大臣)は10月9日に衆議院を解散しました。10月27日に、衆議院議員全員を選び直す「総選挙」の投票と開票が行われます。そもそも、国会や衆議院は、どんな役割をするところなのでしょう? 選挙をしたら何が変わるのでしょうか。短く解説しました。

総理大臣を選び直します

 国会は日本の国のルール「法律」を話し合ってつくるところで、「国権の最高機関」といわれます。衆議院と参議院があります。国会で決まった法律をもとに、総理大臣をはじめとする内閣が国の運営をします。船に例えるなら総理大臣は船長で、一方の国会は、船の大きさや形を設計するような場所です。

 衆議院議員の任期は4年あり、本来は来年の10月30日まででしたが、新しい内閣を発足させた石破総理大臣は解散で全議員を辞めさせ、国民に選び直してもらうことにしました。石破総理大臣は自らの内閣を支持するかどうか、選挙で国民に問いかける考えです。今月15日の公示日に立候補者の届け出があり、選挙戦が正式にスタートしました。

 選挙の後は30日以内に「特別国会」が開かれ、総理大臣を誰にするか、議員の多数決で決めます。

衆院と参院の違いは? 衆議院に優先権

 -衆議院と参議院の違いを教えてください。

 「衆議院の優越」という言葉を聞いたことがありますか。衆議院は予算や条約、総理大臣を指名するときなど、参議院よりも優先して決める権限を持っています。任期も参議院の6年に対し、衆議院は4年と短く、しかも総理大臣が衆議院を解散した場合に議員は失職してしまいます。今回がその選挙です。

 衆議院は「内閣不信任案」を出すことができます。その場合、総理は内閣を総辞職するか、衆議院を解散するかを選ばなければなりません。

 一方で参議院は「問責決議案」を出して総理へ責任を問うことができますが、総理は辞めなくてもいいことになっています。

何を基準に議員選ぶ? 公約を守るか

 -議員の仕事って何ですか?

 最も大切なのは国の予算、法律を決めることの二つです。国際社会の中で、国と国との取り決めを承認する条約を結ぶことなども重要な仕事です。

 -何を基準に議員を選べばいいんですか?

 政治家が有権者に政策を約束する「公約」が重要です。自分の考えと近い政策を選んでも、約束を守らない議員もいます。約束を実行する人かどうかをきちんと見極めないといけません。

 -昔と比べて投票率はどうなっていますか?

 毎回下がる傾向にあります。沖縄の人は、戦後長い間、米軍統治下にあったため選挙で行政のトップを選ぶ「選挙権」がありませんでした。長年苦労してようやく勝ち取ったのが1968年(昭和43年)のことでした。みんなから集めた大事な予算の使い方などについて意思表示する権利がなかったのです。

 国民の税金で成り立つ予算は、政治家や官僚だけが決めるものではありません。国民みんなで決めるべきで、みんなの意見を反映させる仕組みが選挙なのです。