気圧の谷や高気圧のへりを回り込む湿った空気の影響で10日早朝から午前中にかけて、沖縄本島北部の名護市や国頭村、東村では非常に激しい雨となった。各地で浸水などの被害が確認された。沖縄総合事務局は同日、被害状況の情報収集や支援を行う職員を東村と国頭村に派遣した。沖縄気象台は7日から続いた大雨の影響で、土砂災害の危険度が高まっているとして、警戒を呼び掛けている。
国頭村奥では10日朝に1時間に62・5ミリ、同村国頭と東村東では62・0ミリ、名護市名護では58・5ミリの非常に激しい雨が降った。午後にかけて雨は弱まったが、気象台は11日明け方まで土砂災害に警戒するよう呼びかけている。
国頭村比地区では比地川が氾濫し、濁流が集落内に流れ込んだ。大宜味村では浄水場の稼働が止まったことによる断水が続いている。
各地の消防によると10日も、国頭と大宜味の両村と名護市で、床下浸水12件、床上浸水8件、車の水没2件、河川の氾濫で家屋から出られなくなった住民の救助事案1件が確認された。
一連の大雨を受けて沖縄総合事務局は、東村に連絡員(リエゾン)2人を派遣した。役場と連携し、被害状況を確認している。
国頭村には緊急災害対策派遣隊(TEC―FORCE)3人を派遣し、大雨で大量の泥が流れ着いた同村比地の集落で、泥の撤去作業を支援している。
7日の降り始めから10日午後8時までの降水量は東村平良656・0ミリ、国頭村奥519・5ミリ、同村比地285・0ミリ、名護市宮里243・0ミリ、本部町謝花106・5ミリ、南城市糸数103・0ミリ。
(名嘉一心)