沖縄では2007年12月にも、八重瀬町東風平の報得川で当時小学1年の女児が流されて亡くなるなど、季節外れの大雨が時折ある。ただ、今回は名護市や東村などで記録的短時間大雨情報が10回以上出された点で珍しい。日本気象協会の雨雲レーダーでも、北部の東海岸を中心に、線状降水帯の兆しが何度も確認できた。
9日未明の天気図を見ると、東シナ海の等圧線が大きく盛り上がっていることが確認できる。これにより本島北部沖に顕著な気圧の谷が生まれ、そこを収束帯として南や南東から湿った暖かい空気が流れ込んだことが、線状降水帯の発生要因とみられる。
当時南シナ海を西側に進行していた台風22号も一つの要因と言えるかもしれない。台風の影響で南の風が高気圧のへりを回って気圧の谷に集まったのではないか。寒暖差の影響も大雨の要因となりうる。数日前から沖縄では気温が下がっており、南から暖かい空気が流れ込んだことで上昇気流が生まれ、線状降水帯の形成につながったとも考えられる。