ひ孫とユーチューばぁ 笑顔つなぐ動画「生きがい」 我如古カツさん(88)


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
ももちゃん(左)と一緒に撮影でシークヮーサージュースを飲む我如古カツさん=19日、本島中部

 沖縄本島中部在住の我如古カツさん(88)はひ孫のももちゃん(5)と2人で年の差80歳以上のユーチューバーとして活躍している。

 デビューは昨年5月。ももちゃんの両親が家にこもりがちになっていたカツさんを誘い「ももかっちゃんねる」として配信を始めた。「最初は嫌だったけど、楽しくなってるさ」。カツさんはいたずらっぽい笑顔を見せる。

 カツさんの初登場はプリキュアのダンス動画。物おじせず、抜群のリズム感で踊った。その後も沖縄の食べ物や文化の紹介などあらゆる撮影に挑戦。旧盆のお供えをするカツさんを記録したドキュメンタリータッチのものまである。

 17日現在で投稿動画数は348本、配信動画の総再生回数は約11万2千回になる。

「ももかっちゃんねる」ページのスクリーンショット

 最も再生回数が多いのは、カツさんが「くるざーたー(黒砂糖)」「わーあんだ(ラード)」とうちなーぐちで食材を紹介するサーターアンダギー作りで約3700回。無邪気な笑顔のももちゃん、自由で多彩な表情を見せるカツさんによるうちなーぐちを織り交ぜた動画は好評で、多くのコメントも寄せられる。

 カツさんが一番気に入っている動画は恩納村にある沖縄宇宙通信所のイベント。ももちゃんと一緒に宇宙服のレプリカに身を包み、手を繋いで満面の笑みをカメラに向ける。「ひ孫と一緒なのが一番楽しい」とカツさん。

 19日午後、この日も家族が集まって動画撮影が始まった。シークヮーサージュースを飲んだカツさんが「すっぱい」と口をすぼめると、家族が笑った。ももちゃんも「ずっとやりたい」とはにかむ。カツさんは「これが生きがいになっているね」と笑う。撮影はカツさんと家族のかけがえのない時間になっていた。

(仲村良太)