【名護】本島北部のひきこもりの当事者や家族が集まる「地域家族会」の発足式が2日、名護市立中央公民館で開催された。ひきこもりをする人の親やきょうだい、親族ら約10人で北部の地域家族会を立ち上げた。3日にはNPO法人全国ひきこもり家族会連合会(KHJ)主催のシンポジウムと相談会も開かれ、地域家族会を核に行政や福祉関係者が社会復帰を支援する方針を確認した。
地域家族会の結成は、厚生労働省の社会福祉推進事業のモデル事業として、名護市と那覇市を含む4都府県6都市で展開されている。
北部の地域家族会は、元々名護市で活動していたひきこもりの「親の会」を母体に発足した。2日は名護市や社会福祉協議会の担当者が支援策を話し合ったほか、ひきこもり経験者の宜壽次大樹さんが当時の心境を語った。
3日の相談会は当事者の親ら約20人が福祉関係者に悩みを相談した。
KHJによると、ひきこもりの事実は家族も人目につかないようにするため数の把握が困難だという。家族会の発足によって実態把握にもつなげたい考えだ。KHJ監事の近藤正隆さんは「相談相手が居なかった親らは家族会で悩みを共有することで元気になる。それが本人にも影響し、社会復帰の足がかりとなる」と家族会の意義を語った。
家族会の問い合わせはKHJの近藤さん(電話)080(4090)4388。