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「一部勝訴」原告喜び 遺骨返還へ決意新た


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 情報公開訴訟で県教育委員会に一部の情報開示を命じる判決が出たことを受け、ニライ・カナイぬ会の会員ら原告は28日、那覇市の那覇地裁前で「一部勝訴」と書かれた垂れ幕を掲げて喜んだ。その後、県庁記者クラブで会見し「県教委は判決を受け入れて速やかに情報を公開し、遺骨を元の場所へ返すことに取り組んでほしい」と要望した。
 遺骨が持ち出された今帰仁村の「百按司(むむじゃな)墓」に祖先のルーツがある亀谷正子共同代表(79)は「知る権利を保障してくれて良かった」と、安堵(あんど)の表情を浮かべた。同じ立場の玉城毅共同代表(73)は「情報の全部開示を認めてほしい思いもあった」とも述べた。
 仲村涼子共同代表(44)は「県教委は情報を不開示にする特権的存在ではない」と指摘。会員の渡口正三さん(65)は「元の墓へ戻すことを全うしたい」と決意を新たにした。
 会員の一部は、県外で提起されている琉球遺骨返還請求訴訟にも加わっている。22日の大阪高裁判決は控訴を棄却したものの、遺骨が元の場所へ戻る権利に言及した。共同代表の松島泰勝龍谷大教授(60)は「遺骨を返還させるため、一連の訴訟は大きなステップになった」と語った。