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国に「控訴しないで」 水俣病訴訟 原告団が集会


国に「控訴しないで」 水俣病訴訟 原告団が集会 環境省の担当者(右)に要望書を手渡す大阪訴訟の原告森下照美さん=28日午後、東京・永田町の参院議員会館
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 水俣病特別措置法で対象外となった原告128人全員を水俣病と認定した大阪地裁判決を受け、弁護団や原告が28日、東京・永田町の参院議員会館で環境省の担当者に面会した。「判決は国の救済制度の破綻を明らかにした」として、被害者の早期救済を求める要望書を提出し、「控訴は絶対しないで」と訴えた。
 面会に先立ち原告団らは会館内で集会を開催。判決内容を「画期的」と評価し、徳井義幸団長は「夢が正夢になった。この判決をてこに水俣病の被害者救済を新たな段階に進められるよう頑張りたい」と決意を語った。
 環境省との面会には大阪のほか、新潟、東京、熊本の各地裁の原告や弁護団も参加。要望書では「被害者が高齢化し、亡くなる人が絶えない事態を放置することは許されない」と指摘した。環境省の担当者は控訴の可能性や救済策の見直しなどについて明言しなかった。
 また謝罪や療養手当支給の条件の下、各地の訴訟の原告と和解協議に応じるよう求めた。
環境省の担当者(右)に要望書を手渡す大阪訴訟の原告森下照美さん=28日午後、東京・永田町の参院議員会館