有料

教団指示で韓国へ現金 旧統一教会 現役信者が証言


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の現役信者が8日までに、共同通信の取材に応じ「所属する教会担当者の指示で2010年代に数十万円を韓国の教団側に運んだ」と証言した。教会が他の信者から集めたものだった。こうした金融機関を経ない現金の流れは記録が残らないため当局による追跡が難しく、不透明な資産になりかねない。現役信者が教団側の指示を明かすのは異例。
 教団は高額献金問題などを受け09年、信者の経済状態に配慮するとするコンプライアンス宣言を発表。だが、以降も組織的に献金を韓国に運び続けていた可能性がある。
 旧統一教会の勅使河原秀行・教会改革推進本部長は今年6月、直接持ち込みについて「そういうおかしなことは基本的にやらない、やってはならない」と否定していた。
 外為法は100万円相当額を超える現金を海外に持ち込む場合は事前申告が必要と規定。数十万円だったのは税関当局への使途の説明を避けるためだったとみられる。
 教団側が今年、韓国での行事を案内するウェブサイトで「献金は振り込みせず、直接日本円で」と、申告が不必要な範囲内にするよう指示していたことも判明した。