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遺骨返還訴訟 原告団長出席 来月の京大シンポ


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 昭和初期に旧京都帝国大(京都大)の研究者により今帰仁村の風葬墓「百按司(むむじゃな)墓」から研究目的で持ち去られた遺骨の返還を大学に求める琉球遺骨返還請求訴訟の松島泰勝原告団長=龍谷大教授=が、11月25日に大学の学園祭で開かれる学生主催の遺骨関連シンポジウムに出席する。松島氏による遺骨の確認申請を不許可にするなどした大学の山極寿一前学長ら3人に参加と対話を呼び掛けているが、11日時点で返事はないという。
 訴訟は大阪高裁で9月、原告側の控訴を棄却する控訴審判決が言い渡され、10日までに確定した。一方、判決は付言(ふげん)で「持ち出された先住民の遺骨は、ふるさとに帰すべきだ」と指摘し、関係者による話し合いを促していた。
 松島氏は2日付で山極氏らに書簡を送付。「遺骨返還は、人として生きるための重要な活動だ。琉球民族の遺骨盗掘問題を『自分事』として考えて、われわれの先祖の遺骨を返してほしい」と訴えた。送り先はほかに、現在の湊長博学長と自然人類学研究室の中務真人教授。