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「沖縄の思い伝えて」 有権者 裏金、物価対応を注視


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 衆院選が15日公示され、立候補者や各党へ求める政策について県内各地で有権者に聞いた。有権者からは裏金問題への不信感や物価高への対応を注視する声などが聞かれた。石破首相就任からわずか26日後の投開票に戸惑う声もあった。
 この日は朝から各地で候補者の出発式が行われ熱気にあふれていたが、ある選挙事務所の前を通りがかった南風原町の会社員の男性=50代=は「今回の選挙は一体何を問われているのか分からない」と冷ややか。「国民のためとアピールしている政策より、自民党や石破首相が好きか嫌いかを聞かれている気がする」と苦笑いした。
 辺野古や大浦湾の新基地建設で埋め立て工事が進む本島北部では、沖縄戦を体験したという90代男性は「沖縄の心や思いを正直に伝えてくれる人に議員になってほしい」と力を込める。沖縄が再び軍事化されていくことを危惧し「原点である沖縄戦に立ち返って、基地や戦争のない沖縄を実現してくれる人に票を入れたい」と語った。
 サトウキビや野菜など農業がさかんな本島南部で、宮城盛次さん(83)=豊見城市=は「物価高対策にどのように取り組むか、見極めて投票する」という。若者世代の農業離れや、食物の自給率の低さを懸念する。「積極的に農業の安全に取り組んでほしい」と要望した。
 地価高騰が進む宮古島では、視覚障がいのある宮古島市の國仲智江子さん(61)が「島の若者がマイホームを持ちたくても持てない」と訴え、状況打開へ国の支援を求めた。また「就労継続支援のB型事業所の賃金アップも支援してほしい」と望んだ。
 夕方の帰宅ラッシュ前に、那覇市のパレットくもじ前でバスを待っていた那覇市在住の女性(37)は「裏金問題を追及し、国民に情報を開示してくれるクリーンな政治家に投票したい」と決意を語った。 (’24衆院選取材班)