在沖基地を来夏取材 米映像作家トレンブレー氏、新作に


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レジス・トレンブレー氏

 【ワシントン=島袋良太本紙特派員】韓国済州島での海軍基地建設問題を描いた「済州島のゴースト」を制作したドキュメンタリー作家のレジス・トレンブレー氏(米メーン州在住)が、来夏制作予定の次期作品で沖縄の基地問題を取り上げることを計画している。

 トレンブレー氏は沖縄、ハワイ、済州島、グアムなど、米軍との関係が深いアジア太平洋の国や地域を訪ね、住民生活に及ぼしている影響を追う計画だ。
 「済州島のゴースト」は第2次世界大戦終結後、米軍の作戦統治下にあった韓国軍や警察が、朝鮮半島の分裂に反対する済州島民数万人を虐殺した「済州島4・3事件」を描いたもの。その歴史を抱える済州島で現在、住民の反対運動を押し切る形で進む海軍基地建設を追っている。
 次期作品はアジア太平洋地域に軍事力を集中させる米政府の「アジアピボット」戦略の下で、沖縄や済州島などで基地建設が強行され、グアムやハワイでも米軍配備が強化される実態を追う予定だという。
 トレンブレー氏は「作品は多くの国の人から共感を得た。米軍をめぐる問題が世界中で起きている証拠で、沖縄と済州島で起きていることも同じ構図だ。日本や沖縄の人々が他地域とも結束することが重要だと思う」と強調した。