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「沖縄の人も全国で戦える」出雲駅伝で区間賞の上原(北山高出・国学院大)攻めの走りでトップへ


「沖縄の人も全国で戦える」出雲駅伝で区間賞の上原(北山高出・国学院大)攻めの走りでトップへ たすきを受けて走り出す国学院大5区の上原琉翔=14日、島根県(中国新聞社提供)
この記事を書いた人 Avatar photo 屋嘉部 長将

 「大学三大駅伝」の初戦、出雲全日本大学選抜駅伝は14日、島根県の出雲大社前から出雲ドーム前までの6区間45・1キロで行われ、国学院大が2時間9分24秒で5年ぶり2度目の優勝を果たした。大会3連覇を目指した駒大が40秒差の2位。国学院大は5区の上原琉翔(北山高出)が区間賞の走りで3位から先頭に上がり、アンカーの平林清澄も区間トップの快走。駒大の篠原倖太朗との競り合いを制した。1月の箱根駅伝を制した青学大がさらに20秒遅れた3位で続き、創価大が4位だった。


 優勝を目標に掲げていた国学院大。青山学院大、駒沢大との先頭争いで3位についていたチームをトップに押し上げたのが上原琉翔(3年)だった。

 任された5区は細かなアップダウンのある6・4キロ。4区の野中恒亨からたすきをもらった時点でトップと9秒差があった。「先頭で次にたすきを渡すのが使命」と気を引き締めた。

 序盤は先をいく2選手もハイペースで追いつけない。それでも高低差のあるコースを得意とする上原に焦りはなかった。4・5キロ付近でトップをとらえると「守る走りではなく、積極的に攻めた」と前に出て、トップでアンカーの平林清澄にたすきを渡した。「欲を言えばもっと差をつけたかったけど、今できることはすべて出し切った」と振り返る。

 県勢初の区間賞の走りを見せたが、状態は万全ではなかった。夏合宿の疲労が抜けきれていなかったという。ただ、後半でしっかり粘れる走力がついてきている実感もあり、それを実戦で証明した。今回は補員に入った嘉数純平(北山高出、3年)と共に沖縄の長距離界をけん引する存在だ。県勢初の快挙に「僕たちがレースに出ることで沖縄の人も全国で戦えると示すことができる」と力を込める。

 11月に全日本大学駅伝、年明けには総合優勝を目指す箱根駅伝が控える。「国学院大で優勝したことのない全日本をとれば、箱根にもつながる」と次のレースへ気を引き締めた。

 (屋嘉部長将)


◇陸上 出雲全日本大学選抜駅伝(14日・出雲大社前―出雲ドーム前=6区間、45・1キロ)

▽成績(1)国学院大(青木、山本、辻原、野中、上原、平林)2時間9分24秒(2)駒大2時間10分4秒(3)青学大2時間10分24秒(4)創価大2時間11分47秒(5)アイビーリーグ選抜2時間12分18秒(6)早大2時間12分23秒

(国学院大は5年ぶり2度目の優勝)

【区間1位記録】

▽1区(8キロ)鶴川正也(青学大)23分40秒

▽2区(5・8キロ)吉田響(創価大)15分46秒

▽3区(8・5キロ)ヴィクター・キムタイ(城西大)23分42秒

▽4区(6・2キロ)野中恒亨(国学院大)17分42秒

▽5区(6・4キロ)上原琉翔(国学院大)18分12秒

▽6区(10・2キロ)平林清澄(国学院大)29分3秒